教授の逝去を知った月曜日の朝。
その日の午後には、恩人の訃報が飛び込んできた。

「土曜日には退院するから

」と連絡してきたそのしばらくのちに、

「数値が悪くて、退院が伸びちゃった

」と、寂しそうに電話口でつぶやいた。
コロナくんという分断のウィルスは、恩人とのお見舞いを決して赦さない。
病室からの電話がかかってくるのを待つ日々がしばらく続いたけれど、もうそんなコールも掛かってくることはない。
実は亡くなったとされる日の前夜、恩人を夢で見ている。
これまで10年間の付き合いがあるのに、夢に出てきたのは初めてのこと。
夢の中の刀自は、現実と同様に、とても褒めてくれて、そしてとても別れを惜しんでいた。不思議なものだ、夢枕。
深層心理がそうさせているのだけれど、この日の起き抜けは寂しさを感じていた。
お世話になりました。合掌。

映画レビュー
035『生きる LIVING』★3.
かつて日本映画界のマヌケたちが名作『死刑台のエレベーター』をリメイクし、川崎オスカー(←おいら)から★マイナス100という今世紀最低の評価を受けたが、今回の『生きる』も、なぜ今どきと首を傾げながら予告編を眺めていた。
観るつもりもなかったリメイク版を、大切なサービスデー鑑賞の1本に選んだ理由は3つ。
1つめは、これまでページさえ開いたことのない一雄・石黒。
ノーベルによれば、村上春樹より優れた文筆家。脚本とはいえ、一度は体験したい。
2つめは、おいらにとって群像劇のマスターピース『ラブアクチュアリ―』で好演したビル・ナイの主演。外人のくせに4文字しかない彼が、どんな志村喬を演じるのか。
そして3つめは、香川で出会ったブランコに乗ったとき。「ヘナチョコ映画でもいいから『生きる』を見よう」と、そう決めた。
黒澤明版を観たのは、きっと並木座が現役の頃。或いは文芸坐。
とにかく印象はよろしくない。
これまで働きもしなかった奴が、病気を宣告されて、ようやく他人のために仕事をして認められるという安直なお話し。もっと早く気がつけよ。
そもそも「困っている人のために良く働く」おいらとしたら、こんな上司がいたらすぐにやっつける。
リメイク版もなおさらである。
今どき、こんな役所があったら、すぐにプロ級の市民団体がやってきて市長が首になる。つまりは、リメイクする必要も、リアリティもない。
お役所仕事でお茶を濁す志村喬とビル・ナイは、部下であるおいらに突き上げを喰ってやめていく。それでも評価はビル・ナイに敬意を表し★3つ。
038『トリとロキタ』★4.
とにかく新聞や週刊誌での映画評がやたらと高い。週刊文春では87点という高得点だったと思う。
残念だったのは舞台がベルギーということ。
コロナくんがなければ3年前の今ごろには、すでに渡航を終えていたはずの国。
そんな国でこんなこと、あんなこと。葉っぱは栽培し放題
息の抜けない展開で、これは満点間違いなしだったのに、ラストは舞いあがれ!なみに、だいぶ端折っておしまい。おいおい、これで終わりか。
037『屋根の上のバイオリン弾き物語』★4.
ドキュメンタリー。映画では絶対に眠らない自信のあるおいらでも、5分ほどうつらうつら

これがドキュメンタリーの宿命。
この作品に期待したワードが3つ。
《トポル》《JCSS》《森繁久彌》…なんであれ、この3つを聴くことができれば正解。
そして、その3つとも現れた。
JCSSは瞬間だったけど、森繁久彌はスナップになって映っていた。
映画少年だった高校生時代。
JCSSを繰り返し見るようになって、ノーマン・ジェイソンに興味を持って『屋根の上のバイオリン弾き』にチャレンジした。当時はユーゴスラビアのことなんて詳しく知らなかったし、期待したミュージカルはサンセットだけだったけど、もう少し大人なってから、帝国劇場で観劇した舞台は素晴らしかった。森繁久弥だったよね。
可能ならジェイソンの『屋根の上』、どこかで追っ掛け上映してください。

坂本龍一さん死去、71歳 YMOで一世風靡 戦メリなど映画音楽多数手掛けた「教授」
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=7360807
ログインしてコメントを確認・投稿する