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2022年12月26日23:00

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映画日記『なまいきシャルロット』

2022年12月26日(月)

『なまいきシャルロット』(1985年)
監督:クロード・ミレール
矢場町・センチュリーシネマ

夏休み直前の体育の授業で、クラスのみんなが飛び込み台の上から次々とプールめがけダイビングを決めていくのに、シャルロットは高所恐怖症なのかこわくてこわくて飛び込めない。ようやく足から飛び込んだもののあやうく溺れそうに。みんなから馬鹿にされ落ち込むシャルロット。
なんだ、生意気どころか弱虫シャルロットじゃんとおもったら、家に帰れば減らず口のひねくれ娘に変身。お父さんとお兄さん、早くに亡くなったお母さんがわりの家政婦レオーヌに、ことあるごとに食ってかかる始末。
13歳にして、人生をこじらせてしまったシャルロット、どうやら学校で友だちはおらず、家ではみそっかす。
ただひとり、ルルという名の近所住まいでよく泊りにくる、男の子か女の子かよく判らない病気持ちの5〜6歳児だけがシャルロットを慕っていた。
そんなシャルロットの前に、同じ13歳の天才美少女ピアニストのクララがあらわれる。
自分とは別世界に住むクララにのぼせ上がったシャルロットは、彼女の親友となり公演旅行の付添人として世界中を飛び回ることを夢見る。
クララに近づくために、年を偽って親しくなった青年から言い寄られ、のけ者にされたルルはおかんむり。
なまいきシャルロットの、危なっかしくてキュンとなる、13歳の夏の出来事・・・・

素晴らしい!!
タイトルは知っていたが、見るのは初めて。
ヒロインを演じた公開時14歳のシャルロット・ゲンズブールの可愛さ爆発。
ジーンズに横縞のサマーセーター(というのかなあ?)姿が、今でも目に焼きついている。
可愛いいだけでなく、この年頃の苛立ちや孤独やもどかしさが痛いほど伝わってくる。
日本初公開が1989年ということで、今から33年前だ。
映画から離れていた時期なので見ることはなかったが、もし見ていたら自分の中でその年の「事件」になっていただろう。
否、いま見ても十分に事件だ。
シャルロットと同時に、ルルという妙ちきりんな女の子も強い印象を残す。
先に性別が判然としないと書いたが、途中からスカートをはいていた。
少々ぽっちゃりで、眼鏡を掛けていたので、どことなく『リトル・ミス・サンシャイン』(2006)の、まだおチビちゃんだったアビゲイル・ブレスリンを思い出す。
で、そのルルちゃん、それまでシャルロットのまわりでキャッキャと元気だったのに、ほんとうに病気、それもかなり厄介そうな病気であることが突然判明するシーンにガツンとなる。まわりくどい説明なしの映画的飛躍に、ぐらぐらと心が揺さぶられた。
シャルロットも切ないが、ルルちゃんも切ない。
シャルロットに面と向かう家政婦を演じたベルナデット・ラフォンも印象に残る。
帰宅して知ったのだが、彼女はフランソワ・トリュフォー監督の短編映画『あこがれ』(1957)で、颯爽と自転車に乗っていたヒロインだった。
どうりで、中年の家政婦ながら、凜とした美しさが漂っていたわけだ
弾けるような主題歌も聴きどころだ。

https://www.youtube.com/watch?v=R50T3a7aIlM


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