2022年12月9日(金)
『MEN 同じ顔の男たち』(2022年)
監督:アレックス・ガーランド
名駅・ミッドランドスクエアシネマ2
不幸な出来事のために、すっかり落ち込んでしまったヒロインのハーパーは、気分転換のため、大枚をはたいてイギリスの片田舎にある石造りの古い屋敷へやってきた。
この豪華な屋敷をたった一人で貸し切り2週間ほど過ごすつもり。
ところが、どうも雰囲気がおかしい。
屋敷の管理人、全裸で徘徊する変態野郎、小生意気な小僧に教会の牧師、さらには警官やパブに集う男たち、ハーパーの前にあらわれる男という男が全員同じ顔だった・・・・
ひとことで言えばフェミニズム・ホラー映画。
ホラーということで、前半がめちゃめちゃ恐かった。
恐いだけでなく、片腕三枚おろしという、おもいっきりグロ痛(いた)シーンが出てきて、おもわず目をそむけてしまった。
後半になると、同じ顔をした男たちの意味するものが明らかになってくる。
なんやかやと女性に難癖をつけて暴力で脅したり、ときには「これは愛だ」と言ってつきまとう、そんなクズ男というのはみんな同じ顔をしている。
暗喩としてはとても分かりやすい。
そして、クズ男は再生され、連鎖していく
ひとりのクズ男が、次々と新しいクズ男を産み落としていくという奇っ怪なシーンに、笑ってしまった。
まあ、笑うところではないかもしれないが、それだけ上から目線の男社会が堅牢でしぶといということだろう。
田舎の森をヒロインがさまよい歩くシーンを被写界深度を浅くして撮っている。
このシーンがとても美しかった。
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