3億円の箱に島根県が揺れている。
ウォーホルの「ブリロの箱」5箱。
県議会で話題になり、”高すぎる買い物”という無知な県民の反応に、説明会をスタート。
マイクを持って自分の無知を差し置いて、反対論を恥ずかしげもなく語るおじさん、おばさんたちに幻滅と同情を禁じ得ない。
一方で「知見のある専門家の方々にお任せするのが良いと思うので、今回の事がなぜこんな大騒動になっているのかさっぱり分かりません。美術館が目指すものには賛同するし応援します」という真っ当な賛成論もあるのだから、島根県民にも希望は残る。
県知事が「住民投票をして決めよう

」なんていう奇妙な民主主義を持ち出して、鼻の穴を広げているが、困ったものだ。いらないなら、おいらが引き受けよう
かような話題に触れるたびに東京都現代美術館で所蔵するリキテンスタイン『ヘア・リボンの少女』の事件を思い出す。
新規オープンの目玉として東京都が6億円で購入したこの作品。
アートの価値が全く分からない、無知の共産党員が議会で「無駄遣い」と突っついた。
見識ある学芸員や専門家の真っ当な意見で、常識的な結論に落ち着いたが、その後、20数年を経て、この作品の価値は100億円を優に超えて美術館のマスターピースへと育っている。

映画レビュー
139『ソングス・フォー・ドレラ』★10.
わずか60分にも満たないギター+キーボードデュオのコンサートフィルム。
ほとんど情報も仕入れずに飛び込むのは、自らの映画鑑賞のルーティンだけど、それにしても驚いた。1曲目のルー・リードのファーストボイスから痺れてしまったのだ。
ドレラとはウォーホルのニックネーム。
そして、デュオとはルー・リード+ジョン・ケイルというヴェルヴェット・アンダーグラウンド(VUG)の主要メンバーの2人。
つまり、VUGを実質的にサポートしてくれたドレラへ送る追悼ライブ。
楽曲はすべて新作で、亡きウォーホルへ贈るリリックとなっている。
VUGについての知識はほとんど浅薄とはいえ、黒マーチのカーステにはアルバム2枚ほどの作品が入っている。日曜日の朝には『Sunday Morning』を聴くようにしているし、クスリをやる時のBGMは『heroin』と決めている。←決めていない。←キメたこともない。
たった55分。エンドロールが終わって客電がついても、しばらく立つことができなかったのは、同じスクリーンを観ていたわずか6人足らずの観客さえ、おいらと同様だった。
慌ててショップに走って売価800円のパンフレットを購入する。
映画パンフレットを買うなんて、いつ以来のことだろう。10年振り?15年振り?
滅多にないことを衝動的にした理由が、この作品には備わっている。
146『ソングス・フォー・ドレラ』★6.
初回、驚愕の感動を得て★10をつけたあの日からおよそ3週間。
再びの鑑賞は少しだけ★を減らしたけれど、それでも満点以上の評価をつけざるを得なかった。
初回に買ったパンフレットを読み込み、彼らの歌詞の意味をより深く知る。
ゲイであったウォーホルの性遍歴や、ゲイであるルー・リードとの確執。
リードとケイルがステージで交わす(或いは交わそうとしない)冷たい視線の振る舞いは、彼ら同士の確執にまで踏み込むことになる。
一度鑑賞済みのNHK映像の世紀:バタフライエフェクトから『ヴェルベットの奇跡 革命家とロックシンガー』を再見する。
1968年1月、チェコスロバキアで沸き起こったプラハの春。そして同年8月、これを切っ掛けにして「共産主義の危機」との思惑から、ソビエトからの軍事介入侵攻を受けたチェコ事件。そして、チャフラフスカ。
その無謀なクソソ連侵攻から20年後に果たしたヴェルベット革命とVUGの存在。
この革命と、VUGの存在を的確に描いたドキュメンタリーは、自分にとって永久保存版。
55分経てば、やがてエンドロールがやってくる。
ウォーホルの出生地・ピッツバーグでは美術館に行くことができなかったけれど、この映画を2度も観たことが、京セラ美術館へと向かう切っ掛けになるのだろうか。
知れば知るほど深い。3回目を観ることも、あるかもしれない。
今回もまた、合わせて7人の観客は、まるで申し合わせたかのように客電がついても、しばらく立つことができなかったのだ。

オンリーワンの希少車が環境活動家の餌食に ウォーホル作「BMW M1アートカー」に小麦粉を撒き散らす暴挙 実行者は現場で取り押さえられる
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=128&from=diary&id=7193643
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