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2022年10月24日20:52

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《歌舞伎》大向うひとり舞台

猫「とてもステキでしたよ…」
正直驚いた。
怒られることはあっても、褒められはしないだろう。
そう覚悟して臨んだ大向うチャペル
多くの人が実は期待していた回帰だった。

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桜『義経千本桜』(国立劇場)★5.
15か月ぶりの歌舞伎鑑賞。
背中を押したのは8月のアメリカ大大大 tripenart で落水荘を目の当たりにした瞬間。
『見るべきはものは見つ』目
平知盛の最後の言葉が降りてきた。
そして、偶然ではなく必然のように今月、国立劇場で『義経千本桜』が上演される。

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先月から《国立劇場さようなら公演》が始まった。さようならといっても、洋服のAOKIの閉店セールのように、実際に取り壊しが始まるのは来年10月から。
つまり、13か月に渡って、歌舞伎や文楽、落語会なんかが《さようなら公演》と称して上演される。
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朝倉文夫作品のハゲ胸像。頭頂にワックスが塗られ、よく光っている。
ピカチュウか雷

おいらにとっての国立劇場は高校1年生。
落語好きから転じて、歌舞伎にも興味を持っていたというのに、歌舞伎教室の3か月前に無免許運転で捕まって、当日が裁判所出頭日。
翌日に教室に行ってみると「つまらんかった」や「寝ていた」やらの同級生からの感想に、ほんとうに観たかったおいらは40年経った今でも悔しさが残っている。

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35分もある幕間を使って、ちょっとした美術館のようなコリドーを巡る。
大きなサイズの日本画。
川端龍子、中村岳陵、上村松皇、杉山寧、東山魁夷…聞いたことのある日本画家たち。
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小倉遊亀、伊東深水、山口蓬春、児玉希望…
残念ながら、作品へのスポットライトは無神経なほど適当で、前面のお土産屋さんの提灯が映ってしまっているけれど、幕間にオマケをいただいた感じで得をした。

劇場の偉そうな人がいたので少し会話を楽しんだ。
ブタ「来年の10月に取り壊しを始めて、2029年の完成を目指します指でOK」
築55年。おいらより若いのに、もう取り壊し。スクラップアンドビルドを常とするこれが日本の建築政策。
イギリスのロイヤルアルバートホールなんて、築150年で現役。
文化の感覚が違い過ぎる。

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『義経千本桜 二段目』
1『伏見稲荷鳥居前の場』=佐藤忠信実ハ源九郎狐
2『渡海屋の場』『大物浦の場』=渡海屋銀平実ハ新中納言知盛
この2役を音羽屋・菊之助が勤め、安徳天皇を息子・丑之助が演じている。

平日のマチネ。
和装や一張羅に身を包んだ有閑婦女が9割を占め、男子はわずかの肩身の狭さ。
依然として『掛け声禁止』のコロナくん対策が敷かれているのか、1幕で錦之助が見得を切っても、大向うは掛からずに、まるでブリーフのゴムが切れたような気のない拍手が起きる。

3階席や一幕見に陣取る大向うとは違い、今日は一等席で花道脇。
そして、コロナくん。
禁じ手であることはわかっていたが、これでは歌舞伎の楽しみ半減。
どうせ、コンサートでもBRAVO連発のおいら。叱られるまでは、やっちまえ。
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蟹座「ぉったぁや」
タイミングを見計らって、マスク越しの掛け声。
菊之助が見得を切って、再びの、
蟹座「おとぅわや」
1600人でたった一人きりの大向う。
何となく、客席全体に”ぞわっ”っていう雰囲気が走る。いい意味での。
何度も掛け声をすることはなく、流れは拍手に任せておこう。
舞台のセリフに被るほど中途半端な拍手に対して、見得から次の動きまでの1秒に大向うを張る「音羽屋」。どちらがハーモニーになるのか、一耳瞭然。

重要なシーンだけ選んで「音羽屋」「播磨屋」「萬屋」の3パターン。
幕間でも叱られなかったし、何となく周りがおいらの声を受け入れてくれている様だ。
その証拠に『大物浦の場』の大詰め。
知盛が海中に飛び込んだあとの花道。
弁慶のほら貝ののちに、大向うを期待するような前列の奥様方。
蟹座「おとわゃ」
国立劇場1600人の観客が、このシンクロに酔っていた。

終幕となり、観客たちがそれぞれに席を立つ。
隣席にいた60代(或いは70代)の婦女が、笑顔でおいらに語り掛けてくれた。
猫「とてもステキでしたよ…」
それを聞いた前列のグループもうなずいてくれている。

歌舞伎好きの淑女たちは、大向うに飢えている。それよりもなお、歌舞伎には拍手よりも掛け声を待っている。
そういえば「BRAVO!」にも褒められたことがあるし、世界で初めて「リーーーーチコール」をした時は新聞記事にまでなっていた。

動く錦絵の美しさぴかぴか(新しい)
日本人に生まれて良かった。
ところで知盛の「見るべきものは見つ」のセリフを期待していたのに、錨を担いで海に落ちていった。言わないんだ、菊之助。



ブタ市川海老蔵、家族の墓石を削られる被害を告白 「かなしいです。また削られています」
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=128&from=diary&id=7160340
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