映画日記『ＭＯＮＤＡＹＳ このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』

２０２２年１０月１９日（水）

『ＭＯＮＤＡＹＳ このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』（２０２２年）
監督：竹林亮
矢場町・センチュリーシネマ

小さな広告デザイン会社につとめるヒロインの吉川さんは、無能な部長とできない同僚たちに囲まれプッツン寸前。
いま取り組んでいる「炭酸味噌汁」の仕事を終えたら、さっさと今の職場をおさらばして憧れの大手広告代理店へ転職するつもり。
ところが「炭酸味噌汁」のプレゼン資料がうまくまとまらず、同僚ともども日曜を返上して徹夜作業。
そして迎えた月曜日の朝。
吉川さんたちが目覚めると、窓ガラスに鳩が激突し、部長が部下の苦労も知らず能天気に出勤してきた。
ありふれた月曜日、ところが同僚のふたりから思いがけないことを聞かされる。
「吉川さん、僕たち同じ1週間をずっと繰り返しています」

タイムループにおちいった職場を舞台にしたワンシチュエーションコメディ。
序盤は「？？？、大丈夫かこの映画」という感じだったが、同じ場面が何度も続くうちに少しずつ可笑しくなってくる。
タイムループといっても小ネタなのが、日本映画らしい。
終盤は人生の哀歓に満ちたコテコテの人情話。
恥ずかしながら、ちょっと泣いちゃった。
ヒロインの吉川さんに扮したのが円井わん。仏頂面が印象的。
彼女の出演作は何本か見てるはずだが、本作で顔と名前が一致した。
能なし部長に扮したマキタスポーツのとぼけたおやじ顔は、見てるだけで心が和む。
大絶賛するほどではないが、『“それ”がいる森』（思い出すと、いまだに腹が立つ）なんかより、格段に楽しめる1本だった。