《上武1》倒叙
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群馬への tripenart をプランしていく過程で、ずっと前からウィッシュリストに入れていた東松山の美術館に立ち寄れることを思いついた。
従って《上毛》に《武蔵》が加わっての上武tripenart
ルールでは2泊以上の旅には【大】が加わるので、正式には《上武大tripenart》という、箱根駅伝で最下位争いをするようなネーミングの旅となった。
神奈川県民にとっては、練馬インターへの入り口がとても不便な関越自動車道も、圏央道の開通で距離はかかるが、渋滞なしのストレスレスが絶好の動線を形成している。
いざ行け、黒マーチ
『特別展示 生誕110年丸木俊展 人間を描く』(原爆の図 丸木美術館)
この美術館に旬な季節があるというなら、それは間違いなく8月であろう。
しかし、残念なことに訪れた3月もプーチンカスが仕掛けた戦争を背景に”いま、訪れるべき美術館”にフォーカスされてしまっている。
受付の案内に従って順路通りに2階展示室に上がる。
そこに入った途端、鳥肌と得も言われぬ震撼。まるで《無言館》に立ち入った時のようなデジャブ。
いつもなら、作品を前にしてスマホを構え、日記の素材にと保存していくのだけれど、この時ばかりは、その行動が取れなかった。
現在に置き換えれば、日夜流されるキーウやマリウポリの惨状。
1945年8月、さらなる悲惨な現実がヒロシマ、ナガサキにあった。
展示室を周回して、ようやくこの作品を自分のものに残しておこうと押したシャッター。
スマホを通してみても、ちっとも伝わらない。
『ピカは人が落とさにゃ落ちてこん』(丸木俊)
「核のボタンを押せ」と、気の狂ったプーチンカスが命令したとしても、ロシア人に微塵の良識あることを願う。
第一展示室の原爆の図9枚を鑑賞し終えたところ、ギャラリーに数名の団体が上がってきた。学芸員によるギャラリートークが始まるらしい。
聴講させていただこうと後ろに控えていたら、リーダーのご婦人から「どうぞ、ご一緒に」と声がかかる。
団体さんは東松山市のボランティアさんたちで、「我が町にこんなにいい美術館がありながら、経営の危機に瀕している。ガイドを盛んにして、この美術館の存在意義を伝えたい」という高尚な活動。
学芸員さんもとても親切で、ギャラリートークが終わった後のフリートークにも気軽に対応してくれた。丸木夫妻の作品に関する著書も刊行しており、見事にフレンドリー。
悲劇的な作品が展示室を覆う中、心ほっこりとする彫刻に話題が移る。

「これ、猪風来さんの作品ですよね?彼の美術館に行って本人に会ってきました

」

「丸木夫妻との交流がありました。岡山の山奥に、よく行かれましたね

」
こうしてアート活動は次々に点を線へと綴っていく。
学芸員さん一押しの在日アーチスト・李晶玉さんの企画展『SIMULATED WINDOW』。
第二次世界大戦をモチーフにした作品につき、きっとオレンジ色の光はピカドンをイメージしているのだろう。美しいのに、なぜか悲劇的。
ウクライナの惨状が、常に心の中にあったのだろう。
いみじくも上武tripenartのスタートが埼玉での原爆の図。
そして、エンディングがやはり埼玉に戻ってのウクライナ関連神社での平和祈願。
こんなことしかできないけど、こんなことで平和の大切さをかみしめる。
(つづく)
■ゼレンスキー氏とプーチン氏の会談、近く開催か 場所はトルコが有力
(朝日新聞デジタル - 04月03日 06:04)
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