つい先日、大阪で開いた忘年会。
会場へ向かう道すがら、道案内を務めてくれた方から、

「あのパトカーが止まっているところ。その前にブルーシートが掛かったビル。あそこが被害にあったビルです。私たちは、その手前を左に曲がります

」
私を含め、帯同していた3人の誰もが「ビルの前に行こう」とか、スマホをかざすような行為もなく無言で手を合わせ、そして、四ツ橋筋を曲がっていった。
ホッとした。これから忘年会へと出掛けるメンバーの誰もが、理性的でデリカシーを持っていた。
もし、誰か一人でも「せっかく(近くに来たの)だから観に行きましょうよ」などというセリフがでていたらと思うと、心中、怖かった。
デリカシーとは「気配り」「配慮」ということ。これを忘れた人間を、多分、私は好きではない。
年末のルーティン。網戸掃除はとっくに終えて、30日の神棚煤払い。
大晦日は「一夜飾り」として避けられて、29日は「二重苦」につながるからと、これもまた避けられる。畢竟、12月30日に仕事をするしかない。
神棚の背版には「昭和45年新築す」という亡き父の堂々とした揮毫。
当時、父45歳、家族のために大きな仕事をしてくれた。いつも感謝を忘れずに、仏壇に手を合わせている。競輪グランプリは外したけれど。
《筑肥10》承前
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1981221608&owner_id=8666179
武雄温泉を離れ高速へと向かう手前。
どうにも気になった《武雄市図書館》の存在。
おいらの引き出しのどこかに、ここの情報が引っ掛かっている。
館内に入ってみると、見事に整然とした書棚と、スタイリッシュな内装。
そして、お決まりの店内スタバ
日本全国図書館巡りをしている経験からなのか、この出で立ちに鼻がくすぐられる。
うろ覚えの情報が零れ落ちてくる
CCC。つまり蔦屋書店がプロデュースした初めての民間委託の図書館。
第2弾を神奈川県海老名市に作ろうとしたときに、その問題が神奈川新聞で報道された。その記事の記憶が残っていた。
『武雄市から委託されたCCCが、不良在庫や中古本を図書館に仕入れ、多額の費用を横流しした』みたいな事件だったと思う。
佐賀県の図書館に「埼玉県ラーメン屋ベスト100」とか「1984年IT資格試験参考書」とか、なるほど酷いものだ。
「蔦屋書店売れ残り不良品」を図書館経費で買ってしまえというスキーム。
結果だけを見れば、武雄市長が辞任して、CCCは謝罪と損害賠償に応じ、そして武雄市図書館・歴史資料館はそのまま存続し、海老名市立図書館はCCC監修のもと、地元に愛されるスポットとして現認されている。海老名市立図書館に『タイバンコク夜遊び地図』が蔵書されてしまったミスを除けば
筑肥 tripenart 、佐賀県立ち寄りの目的地の一つがこれ。
《佐賀のエッフェル塔》
わざわざ高速道路を一度降りて、国道48号線をひた走る。
田畑が広がる田園にいきなり現れたエッフェル塔。グーグルマップで《佐賀のエッフェル塔》と検索すれば、この地が表示されるほど、佐賀県内では一部有名な場所。
観光地ではなく、あるおじさんの趣味で建てられた私設施設。
レンタカーを板金工場の駐車場に置き、高さ22メートルのタワーを見上げてみる。
とりあえず挨拶をしてこよう。
事務所に声を掛けてみると、ステキな横皺に覆われた工事の社長さんがやってきた。

「どこから来たの?」

「神奈川県の川崎というところから…」

「あれ、確か2週間前にも川崎から見学に来てくれていたよ。どうぞ、自由に見て行ってね。タワーにも登れるから

」
しっかりした構造で、三層まで登ることができる。
眼下に広がる佐賀平野。海外に行けない分、こんなところで味わうパリ気分。
写真を撮って、十分に堪能したのちに、再び社長さんに御礼を告げよう。

「ありがとうございました。素晴らしいです

」
若い頃にエッフェル塔へ登り、その感動を地元に伝えようと、7年がかりで建造した、まるでドン・キホーテのようなおじいさん。

「日暮れまでいてくれたら、白いライトアップが観られるよ。点けてみて初めて分かったんだけど、田園に塔が浮かんでいるようになってさ、とても幻想的なんだよ」
笑顔でこんなお誘いをしてくれたけど、フライトタイムが迫っていて已む無く謝辞。
社長さんの笑顔、そして年輪のように刻まれた横じわが、旅人たちの気持ちを穏やかにしてくれた。
自分もこんな皺を作りたい。目じりの皺だって、笑顔や幸せの蓄積から生まれるもの。
顔をしかめていては、生まれるのは眉間の縦じわばかりになるだろう。
今のところ、そんな筋はひとつもない。
分かりやすくいえば、瀬戸内寂聴と日本大学・田中理事長の顔相を比べればいい。
人間の福相と貧相。
どれだけカネを持っているかではない。どれだけ、心に栄養が通っているかどうかだ。
武雄神社、武雄温泉、武雄市図書館、そしてエッフェル塔。
ランチタイムを運転中に済ませたお陰様で10分ほどのユニークタイムを生み出した。
《中冨記念くすり博物館》
鳥栖市に在する久光製薬のメセナ施設。
初日に立ち寄りをプランしていたが、青木繁旧居で思いのほか時間が取られ、訪館をあきらめていたが、どうやら超速で廻れば大丈夫のようだ。
くすりに興味があるわけではなく「訪れてみたい佐賀県建造物」の1つ。
設計はイタリアの設計家で彫刻家でもある Cecco Bonanotte。誰やねん。
『Semi di Vita』(1994: Cecco Bonanotte)誰やねん。
そういえば、この辺は「サロンパス」や「フェイタス」の看板に溢れていた。
ありがとう、佐賀県。
今回の tripenart も一期一会、多くの優しい人たちとの美しい出逢いに恵まれた旅だった

令和4年もたくさんの旅ができますように

(←できる)
■大阪ビル放火殺人、容疑者の男が死亡 事件の解明困難になる恐れ
(朝日新聞デジタル - 12月30日 20:05)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6797778
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