2021年9月17日(金)
『食人雪男』(2021年)
監督:ジャマール・バーデン
矢場町・センチュリーシネマ
ヤツは顔面から喰らう。
血に飢えた、爆食魔獣。
人間どもを引きちぎる、伝説の人体破壊王降臨。
数ヶ月前から、映画館に貼ってあったポスターの、キャッチコピーにしびれた。
待ちに待った封切り日、さっそく朝イチの回へ見に行った。
人里から離れた奥深い雪山に、効能抜群、ガンをも治すという万能薬草の「雪男草」が生えていた。
その「雪男草」を採集するため、男女6〜7人の探索隊が入山する。
しかし、そこは食人雪男が生息する禁断の世界だった・・・・
いやあ、ものすごい映画だ。
よくぞ公開にこぎつけた、というより、よくもまあ公開したものだ。
映画の大半が、雪山の中を探索隊のメンバーがウロウロ歩き回り、ときどき見えない「何か」に向かって意味もなく銃をぶっ放すだけ。
何やってんだよと、そろそろ我慢の限界に達したときに、ようやく食人雪男が登場した。
その食人雪男が、着ぐるみだった。
まあ、着ぐるみが悪いとは言わないが、あまりにチープ。
1950〜60年代ならいざ知らず、2021年の映画とはおもえない。
加えて、どこが「人体破壊王」だ。血糊も少なければ、おとなしめの残虐シーンがチラッとあるだけ。
終盤になって、顔の皮を剥ぎ取るシーンが出てきたが、結局見どころはここだけだった。
残り少ない人生を、こんな映画につき合ってしまったことが腹立たしい。
とにかく、製作会社も配給会社も、世が世なら
だ。
でもね、次に映画館でしびれるキャッチコピーに出会ったら、性懲りもなく、きっと見に行くんだろうな。
ということで、映画に罪はなし。
悪いのは、死ぬまで懲りない私のほうだ。
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