映画日記『座頭市物語』

２０２１年９月１５日（水）

『座頭市物語』（１９６２年）
監督：三隅研次
名駅・ミッドランドスクエアシネマ

説明不要の傑作時代劇。
ひょっとしたらスクリーンで見るのは初めてかもしれない。
勝新太郎はもちろんだが、平手造酒を演じた天知茂が最高だ。
メーキャップが巧みだったのだろうが、顔に死相があらわれていた。
天知茂といえば、市川雷蔵の『眠狂四郎無頼剣』（１９６５年）の敵役も忘れられない。
冷酷に人を殺めるいっぽう、ちいさな女の子に手作りのおもちゃを渡す約束を守ろうとするやさしさをもった浪人役だった。
１、２本しか見てないが、田宮二郎の『犬』シリーズの、しけた刑事役も良かった。
準主役みたいな役回りのとき、とても輝く役者だ。
なんてことを書いていたら、無性に天知茂の映画が見たくなってきた。

本作封切りが１９６２年。
ということは『座頭市』シリーズが誕生して、来年が６０周年ということになる。
テレビでいいから、全作放映して欲しいものだ。