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2021年06月19日22:00

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映画日記『戦う幌馬車』『見知らぬ乗客』『太陽を盗んだ男』

雨で外出する気力なし。
終日、録画しておいた映画を見て過ごした。

2021年6月19日(土)

『戦う幌馬車』(1967年)
監督:バート・ケネディ
NHKBSプレミアム【録画】

ジョン・ウェインとカーク・ダグラス、2大スター共演の西部劇。
ふたりが中心となって、悪党一味が運ぶ大量の砂金を強奪する計画を立てた。
しかし、成功するには砂金を運ぶために特注した鉄板に覆われた装甲車のような馬車と、列をなす護衛たちをなんとかしなければならない。
そのために、爆弾の扱いにたけた若僧と荒くれインディアンが仲間に加わる。
砂金が運ばれる日、知略に満ちた強奪作戦が始まった・・・・

カーク・ダグラスが馬に乗るとき、あぶみを使わず、跳び箱のようにピョーンと飛び乗るシーンが出てきて、あっ、この映画一度見てるわと気づいた。
毎度のことながら、断片的なシーンを記憶してるだけで、ストーリーなんかまったく覚えていない。おかげで二度目の今回も十分に楽しめた。
見どころはなんといってもジョン・ウェインとカーク・ダグラス。
ふたりが冗談を言い合いながらニヤニヤしてるだけで、こちらもニヤついてしまう。
両雄そろっての早撃ちシーンがカッコいい。
娯楽西部劇では定番中の定番の、突然はじまる酒場での殴り合いシーンも楽しい。
バート・ケネディは、本作のようなちょっととぼけた西部劇を撮らせたら、ほんとうにうまい監督だ。


『見知らぬ乗客』(1951年)
監督:アルフレッド・ヒッチコック
NHKBSプレミアム【録画】

初見のヒッチコック映画。いわゆる“交換殺人”のお話。
ちょっとは名の知れたテニス選手のガイが列車の中でブルーノというゴシップ好きの男と出会う。ブルーノはガイが議員の娘と恋仲なのを知っていた。ただしガイには妻がいる。
ガイにとって、男癖が悪く平気で浮気をしてる妻は、実際のところ邪魔だった。
ブルーノは、口やかましい父親をうとましくてしかたない。
そこで、ブルーノはガイに交換殺人を持ちかけた。
ブルーノの提案に、馬鹿なことと無視するガイだったが、ある夜、ブルーノがほんとうに妻を絞め殺してしまった。
やがて、ガイのもとにブルーノが再三あらわれ、早く父親を殺せと迫るのだったが・・・・

ねっとりとしたいやな感じがして、面白かった。
ブルーノを演じたロバート・ウォーカーがめちゃめちゃ気色悪い。
金持ちのぼんぼんで、いい歳なのに仕事もせずに、遊び回っている。
それなのに、どうも友だちはいなさそう。
自分のことを溺愛してくれる母親だけが話し相手みたい。
その母親から贈ってもらった名入りのネクタイを、うれしそうに着けている。
なんとなくマザコン以上の感じがする。
彼が父親を殺したいのは、きっと口やかましことだけが理由ではないのだろう。
ブルーノが交換殺人を持ちかけたガイは、まるでギリシャ彫刻のような美青年。
交換殺人が成功したのちも、ブルーノはガイにつきまうつもりだろう。
表向きは秘密を共有した友人としてだが、ブルーノの胸の奥底には別の欲望があるような気がしてならない。
あからさまなセリフや表現は一切ないのだが、ずっとへんな感じが漂っていた。
そんな中でただ一箇所だけ、ブルーノが哀れにおもえるシーンがある。
それは、モノクロの画面の中、巨大な白亜の建物の前に立っているブルーノの姿を見つけたガイが、彼を避けて逃げていくシーンだった。
ロングショットで撮られたブルーノの小さな人影が、去って行くガイを目で追っていた。
ブルーノという男の粘着性をあらわすゾッとするシーンであり、いっぽうで彼の深い孤独感のような気がした。
小道具に使われる度の強い眼鏡もへんな感じだ。

ということで、やっぱりヒッチコックは面白い。


『太陽を盗んだ男』(1979年)
監督:長谷川和彦
日本映画専門チャンネル【録画】

説明不要の大傑作。
封切り時を含め、見るのが3度目となる今回も、最初から最後まで目が離せない。
本作1本に映画10本分のアイデアや熱量が込められている。
監督の長谷川和彦といえば、本作と『青春の殺人者』(1976年)の2本しか撮っていないのが、ほんとうに残念だ。




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