2020年10月27日(火)
『ある画家の数奇な運命』(2020年)
監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマ
伏見・ミリオン座
ナチスの時代から敗戦、そして東西分裂というドイツの現代史を背景に、タイトル通りにひとりの画家の数奇な人生を描く。
3時間を超える上映時間がまったく苦にならなかった。
装置や小道具や衣裳を駆使し、過去の時代を再現する造型力がすごいのだろう。
かっちりとした撮影もみごと。
話かわって、最近名古屋の駅前で「あいちトリエンナーレ」を巡って、愛知県知事のリコールを訴える一団を何度か見かけた。うるさいこともあって、うっとうしい。
本作の主人公が西側の芸術大学で講義を受ける場面で、教授が芸術家の卵たちに向かって「諸君が自由でないと誰も自由にはなれない」と喝破するシーンに、なにかストンと腑に落ちるおもいだった。
今月は『本気のしるし』、『異端の鳥』、『れいわ一揆』、そして本作と、上映時間が3時間から4時間の作品が続いた。
いずれも、途中で落ちることなくちゃんと見ることができた。
じつは、9月に8時間超えの『死霊魂』も見に行ったのだが、こちらは撃沈だった。
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