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2020年06月28日18:40

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《2020愛知2-6》三岸節子美術館の奇跡

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三岸節子(1905-1999)

(承前)《愛知5》
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出生地である愛知県尾西市(現:一宮市)にあてがわれた《ふるさと創生1億円》(by竹下登)を利用して、彼女の生家に設立された三岸節子記念美術館(1998年開館)。
公設でありながら個人美術家に特化した美術館ではあるものの、思いのほか立派な建造物。
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9時開館で9時30分到着車(セダン)
おそらく本日の入館者1号ペンギン
蟹座「美の巨人で紹介されていたとかで、神奈川県から三岸さんを鑑賞しに来ました指でOK」
展示ルームのセキュリティスタッフに声を掛けて掴みは万全。
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《自画像》(1925)
1室のみの展示室に入ると、まず目に入る三岸節子20歳時の作品で出世作。
決して笑顔ではなく憂いを持つ。さらに近づけば、唇さえ噛む仕草なのだろうか。
すでに2歳先輩の画家・三岸好太郎画伯との婚姻を果たしており、その若旦那さんは「好き太郎」とさえ揶揄されるほどの女性好き。
日々の苦労や、このあとの波乱な人生がにじみ出ているかのような自画像。印象的。

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《華》(1989)
84歳時の作品。彼女が花を描くときは、最初に描いていたモチーフさえ、翌日の気分で書き替えてしまうそうで、故に作品名は常に《花》或いは《華》チューリップ
美の巨人たちで紹介された遺作《さいたさいた桜がさいた》(1999)は、残念ながら春の所蔵展に展示されて、現在は収蔵庫入り。
但し、その作品前に93歳で描かれた《さいたさいた桜がさいた》は、前日の堀美術館で鑑賞済み。これも奇跡的な体験だった桜

その後も来観客は全く訪れることなく、ゆったりとした鑑賞時間が過ぎていく。
あまりにも余裕がありすぎて、入り口でずっと立哨していたスタッフに「(椅子に)お掛けいただいて構いませんよ手(パー)」と、自然に声を掛けていた。
県内西部・大磯町にアトリエがあるという情報には、スタッフも朧げな記憶だったようで、わざわざ資料を調べて解説を加えてくれる。
ひよこ「東京の洋菓子店に、三岸さんがデザインした包装紙を使ったお店があるんですよパン」
ショーケースで紹介されていた洋菓子店『ロワール』は、世田谷区奥沢。
電球
蟹座「ここならオフィス(自称)のすぐ近くです。木曜日に行きますよ指でOK」
持ちつ持たれつ、人との触れ合い、出会い。至福の時間。

三岸節子作品所蔵100点の4分の1が四季によって展示替えなされている。
夏の25点の作品を40分近く眺めていただろうか。
その間、新規来館客は1名。しかも、まるでワイフさんのようにわずか30秒足らずで周回し、そして出て行った。何しに来た?
ひよこ「奥の展示室に大磯アトリエのレプリカがありますので、是非、ご覧ください手(チョキ)」
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土蔵展示室に入り、三岸節子画伯の年表を眺めていると、ガラっと引き戸を開ける音。
別のお客さんがきたかな?
このぐらいの思いだったが、やってきたのは美術館学芸員の伊藤氏。
スタッフではなく、学芸員直々のお出ましである。つまり、これが奇跡。
犬「わざわざ神奈川県からいらっしゃっていただいたと…」
スタッフさんが伝達してくれたようだ。おそらく、展示室25枚を長い時間かけて鑑賞する遠方客に心を寄せてくれたのだと思う。

お蔭様。
ここから始まる伊藤氏のガイダンスが、立て板に水。
吉田節子さんの生い立ちから、三岸好太郎との出会いと別れ。
19歳で結婚し、29歳で3人の子どものシングルマザーとなってから怒涛の主婦・母親・画家としての人生が94歳の大往生まで続いたという。
犬「ご遺体の指先には油彩の色がついていたそうですよ」
長男・黄太郎が父親と同じ「こうたろう」と読むことに引っかかり、ガイダンスのわずかな隙間を狙って問いかける。
犬「長男の本当の名前はパリ児(みぎし・ぱりじ)。父・好太郎がパリにあこがれていたので、そう付けられました」
蟹座「バリバリにキラキラネームですねげっそり」
犬「小さいころは『パーちゃん』と呼ばれていたそうです。ところが、父親が亡くなって死亡届を役所に出すと、パリ児の出生届が出されていないことが判明したのです」
蟹座「無戸籍?」
犬「好太郎は好き太郎と呼ばれるぐらいに女好きで、ほとんど家に帰らない。出生届ももったまま失くしたとされています。それで、母親である節子がパリ児では可哀想だと、やはり好太郎の好きな色・黄色を使って黄太郎ひよこで出生届け。すでに3歳ですトイレ」
蟹座「おとうさんと同じ名前げっそり」
犬「好太郎さんがどれほど女好きで浮気性であっても、節子さんは好太郎さんに惚れていたんでしょうね。亡くなった後も「こうたろう」を遺したのですから」
三岸好太郎の死因は胃潰瘍とされているが、果たしてどうだろう。
旅先の名古屋で、どんちゃん騒ぎの果てに吐血し31歳で夭折。シュールだなぁ。

黄太郎さんのご子息が銀座で画廊を開いているという。
伊藤氏が、わざわざポストイットに手書きで記した画廊の連絡先。そして、名刺。
犬「もし、行かれるのであれば私の名前を出していただいて構いません指でOK」
おいらの両目は潤んでいただろうか目ペンギン
蟹座「ほんとうにありがとうございます。行かないわけがありません(←行く)」
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その後も、展示室に戻り、再び主要作品のガイドに付き合っていただいた。
前日に堀美術館へ訪れていたことも、この奇跡の背中を押してくれたに違いない。
東京の大きな美術館に比べれば、どこかのホール程度の小さな展示室ではあるけれど、退館時に時計を見たら11時30分。
2時間の至福。いつもながら、一期一会の出逢いに感謝する。
なんて幸せなことなのかペンギン

6月25日(木)
名古屋から戻って4日目。
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《奥澤神社》
神社で名古屋旅の帰還御礼を告げて、御朱印を拝受。
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神社からバイクでわずか1分。

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《ロワール》
ショップレコメンドはブランデーケーキワイングラスだそうだが、ノンアルコール派につき、手焼きクッキーを少々。
応対してくれたパティシエさんに三岸節子美術館での出来事を伝えると、彼の声かけによってオーナー直々にお出ましとなった。
蟹座「一宮の美術館で紹介されて、オフィスが近いので駆けつけましたぴかぴか(新しい)」
猫「それは嬉しいなぁ〜」×3timesハート達(複数ハート)
つまり、嬉しいなぁ〜、が3連発。
猫「今年から三岸さんの美術館にうちの商品入れてるんですよ」
蟹座「ミュージアムショップにありましたよ、ブランデーケーキ指でOK」
猫「きのうも追加オーダーいただいてねショートケーキ」
三岸家とはオーナーの姉がパリ児さんの奥さんと付き合いがあったそうだ。
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店内は包装紙のデザインとなったデッサンの原画が掲げられている。
美術館で紹介されて、すぐに訪ねたことがオーナーの琴線をくすぐったらしい。
マスクをしていたが、破顔の様子は目を見ればわかる。
一期一会は、こうしてつながって人脈を創り上げていく。

こんな日記では伝わらないこの感動。
一宮の伊藤氏から、こう誘われた。
犬「まだ企画の段階ですが、来年、節子さんと好太郎さんが出会って100周年なんですね(笑)。それを記念した2人展を開催する予定です。よろしかったらお越しくださいね」
行かないわけがない。(←行く)
(つづく)



■「美術館女子」公開終了 「指摘を重く受け止め」
(朝日新聞デジタル - 06月28日 14:49)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6137228
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