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2020年04月04日17:24

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映画日記『ビューティフル・デイ』

先週の旅行中に、念願だった小倉昭和館で映画を見ることができた。
外観から、昔ながらのまちなかにある小さな映画館だろうとおもった。
ところが、場内に入ると外観からは想像できないような立派なつくりと空間に驚いた。
場内の高さがふつうの映画館の2層分はある。
2階席にあたる高さまで、モスグリーンの座席がダダダーと階段状に置かれ、前の人の頭を気にすることがない。スクリーンもミニシアターよりぐんと大きかった。
こんな映画館で古い日本映画を存分に楽しみたいものだ。
ロビーには、昭和館を訪れた映画人たちのサインが飾られていた。
その中に、敬愛するイ・チャンドン監督のサインを見つけた。

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2020年3月28日(金)

『ビューティフル・デイ』(2018年)
監督:リン・ラムジー
九州小倉・小倉昭和館

ホアキン・フェニックスの主演映画2本立ての1本。
もう1本は『ジョーカー』だった。
そいいえば、去年の夏、北海道浦河の大黒座で見たのもホアキン・フェニックス主演の『ドント・ウォーリー』(2019年)だった。まあ、どうでもいいことだが。

『ビューティフル・デイ』を見るのは2回目。
ホアキン・フェニックスが金槌を振りまわして相手をボコボコにするという危険極まりない裏稼業の中年男を演じた。
とんでもない暴力男のくせに、実はマザコンで、少年期と戦場での体験がトラウマになってしまったうえに、自殺願望があるという複雑な男だ。
ある日、彼はロリコン売春組織から、ひとりの少女を救い出すことを請け負った。
血みどろになりながらも、男は少女の救出に成功する。
ところが、男にとってそれは悪夢の始まりだった・・・・

前回は救出される美少女のエカテリーナ・サムソノフにばかり目がいってしまったが、あらためてみたら、ホアキン・フェニックスがすごかった。
説明的なセリフをひとつもすることなく、暗闇を背負ってしまった孤独な男を見事に演じていた。
暴力に満ちた裏稼業の男になりきるため、ホアキン・フェニックスは髭面になり、体重を増やしマッチョな身体に仕上げたという。
行ったことはないが、ニューヨークのうす暗い路地裏に、こういう男が佇んでいそうだ。
カンヌで男優賞を獲ったそうだが、納得だ。
あの体型から、北海道で見た翌年製作の『ドント・ウォーリー』では、車椅子生活をしている身障者のからだに変化していた。
まるで、『レイジング・ブル』(1981年)のロバート・デ・ニーロだ。
ホアキン・フェニックス自身がロバート・デ・ニーロを尊敬しているそうだから、体重の増減ぐらいは、当り前のことだったのだろう。
アメリカ映画の役者馬鹿の伝統は、連綿と引き継がれていく。
いまおもうと、『ジョーカー』の衝撃シーンは、ホアキン・フェニックスがロバート・デ・ニーロに引導を渡した瞬間だった。


※ロビーに展示されていた、日本映画黄金期の小倉昭和館を偲ばせる1枚!

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