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2020年02月13日02:00

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映画日記 『リチャード・ジュエル』

キム・ギヨン監督の『死んでもいい経験』を見た後にもう1本見た。
これまでの経験上、キム・ギヨンの作品を見た後では、どんな映画も色あせてしまう。
ところが、この日は違った。

2020年2月12日(水)

『リチャード・ジュエル』(2020年)
監督:クリント・イーストウッド
名駅・ミッドランドスクエアシネマ2

素晴らしい!!
どれだけ素晴らしかったかというと、尾籠な話だが、本作を見たとき下痢気味だった。
このままでは、上映中に席を立ってトイレに行くという、映画好きにとってはこのうえない恥をさらすことになってしまう。
ところが、映画がなかなかトイレに行かせくれない。
そのうち下痢便がひっこんでしまった。

実話にもとづく映画。
ときは1996年、アトランタオリンピックの最中に、とある会場で爆弾事件が起きた。
警備員のリチャード・ジュエルは、不審なバッグを発見すると同時に、いちはやく人々を避難させた。彼のおかげで被害を最小限にくい止めることができた。
彼は一躍ヒーローとなった。
ところが、女性新聞記者の憶測による飛ばし記事によって、爆弾事件の容疑者になってしまう。
事件解決に焦るFBIも、リチャードを犯人にデッチあげようとする。
そこへ、昔からジュエルの人柄を知る弁護士のワトソン・ブライアンが登場する。
ワトソンは、犯行予告電話の時刻と、当時のリチャードの居場所から、彼の無実を確信した。
ワトソンとリチャードは、FBIとハイエナのようなマスコミを相手に反撃を開始する。
そして、その顛末とは・・・・

まず、こんな事件があったことを知らなかった。
ひょっとしたら、見たり聞いたりしたことがあったかもしれないが、忘却の彼方だ。
ただし、本作で描かれる事件の推移を見てるうちに、松本サリン事件を思いだした。
松本サリン事件でも、第一通報者が冤罪の犠牲になっている。
私も当時のマスコミ報道に乗ってしまったくちなので、とても教訓に満ちた映画だった。

次に、俳優たちが見事。
リチャードの母親を演じたキャシー・ベイツが、息子の無実を訴えるために、大勢の記者たちの前で会見するシーンにグッときた。
主人公のリチャードを演じたポール・ウォルター・ハウザーという人は初めて知った。
警察マニアで、見ていてイライラするような、愚鈍なデブ男だ。
しかし、いっけん単純な男のように見えて、じつは複雑な人物だった。
ワトソンになじられて本心を吐露するシーンや、FBIと対峙するクライマックスを通じて、彼が単に愚鈍なデブ男でないことが分かる。
見かけで判断してはいけない。世の中に単純な人間などいない。
きっと中盤までの愚鈍なデブ男は、ポール・ウォルター・ハウザーの演技プランだ。
『ジョジョ・ラビット』に続いて、サム・ロックウェルがカッコいい。
いま、一番クールな役者だ。
ジェイソン・ステイサムとドニー・イエンに続き、サム・ロックウェルに外れなし!!


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