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2019年12月29日00:00

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映画日記 『飢える魂』

しつこく川島雄三詣でを続けている。
この日は4本見た。

2019年12月27日(金)

『貸間あり』(1959年)
監督:川島雄三
大阪九条・シネ・ヌーヴォ

『飢える魂』(1956年)
監督:川島雄三
大阪九条・シネ・ヌーヴォ

『続 飢える魂』(1956年)
監督:川島雄三
大阪九条・シネ・ヌーヴォ

『グラマ島の誘惑』(1959年)
監督:川島雄三
大阪九条・シネ・ヌーヴォ

この日の4本は、いずれもすでに見ている。
お目当ては『飢える魂』の正・続篇の2本。
この2本はテレビ放映でしか見ていなかった。
とにかくスクリーンで、薄倖のヒロインを演じた南田洋子の姿を、もう一度目に焼きつけおきたかった。

ヒロインの令子(南田洋子)は、若くして25歳年上の実業家・芝直吉(小杉勇)に嫁ぎ、幼いひとり娘をもうけていた。
金銭の苦労もなく、土地売買をしている夫に随行し日本各地を旅する暮らしは、はたから見ればうらやましだろう。
しかし、彼女の心は飢えていた。
ときに秘書や女中のかわりに、ときに金で身体を買う娼婦のように、そして若く美しい妻を酒宴の席に引き連れて、取引先の相手をさせる。
それなのに、夫からは感謝の言葉ひとつない。
吝嗇家でもある夫からは、こまごまとしたチェックを受ける日々だった。
そんな令子の前に青年実業家の立花(三橋達也)があらわれる。

もうひとりのヒロインは大学生の息子と、高校生の娘を持つ中年女性のまゆみ(轟夕起子)だ。
まゆみは、夫を亡くし、女手ひとつで子どもたちを育ててきた。
そんな彼女を、亡夫の親友である下妻(大坂志郎)が支えていた。
しかし、下妻の妻はながらく病に伏せていた。
下妻はまゆみに、プラトニックなものだけでない愛を欲していた。
そんな下妻の気持ちを知りつつも、まゆみは亡き夫と子どもたちに義理立てする。

そして、飢えた魂を秘めたヒロインふたりに、運命の夜がやってきた・・・・

よろめきメロドラマの大傑作。
轟夕起子には申し訳ないが、南田洋子がすばらしい!!!
驚くなかれ、1933年生まれの南田洋子はこのとき、まだ23歳だ。
23歳にして、よろめく女の色香を濃厚に漂わせていた。
ここ10年近く古い日本映画を見てきて、有馬稲子、北原三枝、そして南田洋子が、今風に言うところの「クール・ビューティ」のトップスリーだ。

若いころに見たら噴飯ものだろうが、この歳になると、恥も外聞もなくメロドラマがいいんだ。



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