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2019年09月23日02:05

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映画日記 『あじさいの歌』 『台風家族』 『帰れない二人』

2019年9月22日(日)

『あじさいの歌』(1960年)
監督:滝沢英輔
大須・大須シネマ

今春オープンした大須シネマに、初めて訪れた。
現在上映中の『あじさいの歌』には、芦川いづみが出演している。
これは見なくちゃ。

新進の商業デザイナーでカメラマンでのある好青年・河田藤助(石原裕次郎)主人公。
ある日、河田は人通りのない神社で足をくじいて動けなくなった老人(東野栄治郎)を助け、彼の自宅まで背負って送りとどけた。
倉田と名乗る老人は、たいそうな金満家で、自宅というのが古風な洋館だった。
河田の前に、倉田のひとり娘、けい子(芦川いづみ)があらわれる。
まさに深窓の令嬢、どこか浮き世離れした邪気のなさに、河田はひと目でけい子を気に入った。
彼はけい子の姿を何枚もカメラにおさめ、その1枚を、展覧会に出品する。
「あじさいの歌」と名付けられた1枚の写真が、やがて河田とけい子、そして回りの人々を巻き込む騒動へとなっていく・・・・

日活の明朗青春映画。
明朗といっても、セックスをしたことによって、男と女の間にすきま風が吹くことあるというくだりが、いま見ても面白い。

この頃の石原裕次郎はとてもいい。
アクション映画のイメージが強いが、本作のような好青年を演じたときの裕次郎がいちばん輝いているとおもう。
そして、芦川いづみ。つべこべいうことなし。
頑固な父親の東野栄治郎と、オールドミスの家庭教師の杉山とく子がいい仲になったのを見て、にっこりする笑顔の愛らしさに、胸がキュンとなる。

コメディリリーフ役に北林谷栄と殿山泰司、貫禄の轟夕起子、腰の軽い大阪志郎、小悪魔の中原早苗と助演陣もバッチリだ。
古い映画を見ることの、楽しさに満ちた1本。


『台風家族』(2019年)
監督:市井昌秀
名駅・ミッドランドスクエアシネマ2

間もなく上映が終了となるので、あわてて見に行った。

10年前、父と母が銀行から2000万円を強奪したまま行方不明になってしまった。
失踪から時間が経ち、法的には父母が死亡扱いになったのを機に、一家の長男は形だけの葬儀を行い、弟や妹たちに実家を処分しその金を分配しようともちかける。
しかし、もとから兄弟仲の悪い連中で、なかなか話がまとまらない。
そのうち、妹(といっても30過ぎ)の、見るからにチャラくて若い彼氏がやってきて、話がさらにこじれていく・・・・

金を巡ってのドタバタ騒動。
先の読めない展開で面白かった。
草なぎ剛が金に汚いサイテー男を好演。
メークひとつで、がらりと印象を変えてきた。
いっぽう、新井浩文がおとなしめだったのは、ひょっとしたらいくつかのシーンをカットしたのではないかと勘ぐってしまった。
新井浩文の印象が薄かった分、妹のチャラい彼氏を演じた若葉竜也が、おいしいところをかっさらっていく。
ラストの「おとうさま〜、おかあさま〜」に大笑いだった。

生きるということは、みっともないことだ!
と喝破する。
初めて見た市井監督の映画は『無防備』(2007年)だった。
そのときは、なんて“暑苦しい映画”だろうとおもった。
本作で、市井監督はふたたび“暑苦しい映画”に帰ってきた。
オリジナルのシナリオで勝負するという、熱気と心意気が画面に、きっとあらわれたのだ。

そういえば、本作には藤竜也が出演していた。
この日、1日で芦川いづみと藤竜也ご夫婦の映画を見たことになる。
どうでもいいことだが、映画好きとしては、うれしい気分だ。


『帰れない二人』(2019年)
監督:ジャ・ジャンクー
伏見・ミリオン座

17年に亘る、男と女の腐れ縁。
中国映画版の『浮雲』だ。


この日は、調子がよくて3本も見てしまった。
いずれも、見ごたえのある映画だった。


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