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2019年09月16日22:57

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映画日記 『ブラインドスポッティング』

2019年9月16日(月)

『ブラインドスポッティング』(2019年)
監督:カルロス・ロペス・エストラーダ
伏見・ミリオン座

舞台はアメリカ西海岸のオークランド。
これまでちゃらんぽらんな生き方をしてきた黒人のコリン(ダヴィード・ディグス)が、裁判所から1年間の保護観察処分を言い渡された。
夜11時の門限、旅行や遠出もできず、施設のトイレ掃除が義務だ。
ようやく保護観察期間も残り3日となった夜に、コリンは無防備な黒人青年を白人の警官が射殺する場面に遭遇してしまう。
運悪くコリンは拳銃を手にした警官と目が合ってしまった。
ここで下手に動けば、監獄に逆戻りだ。
その夜はなんとかやりすごしたが、恐怖と困惑と、そして怒りがわだかまりとなって胸の奥底に残った。
コリンは、12歳のときからつるんでいる白人のマイルズ(ラファエル・カザル)といっしょに引っ越し業の仕事をしていた。
マイルズはコリン以上にちゃらんぽらんだ。そのうえ短気ですぐに手を出す。
そんなマイルズに、コリンはこれまで感じたことのない違和感を覚えるようになる。
マイルズも、いつまで経ってもうだつの上がらない自分にいらだっていた。
はたして、コリンはめでたく保護観察期間を終えることができるのか?
そして、肌の色をこえたコリンとマイルズの友情の行方はいかに・・・・

昨日見た『荒野の誓い』に続いて、見ごたえのある1本だった。
描かれているテーマや、作り手のおもいが共通している。
ひとことで言えば、分断と不寛容な時代への異議申し立てだ。
とはいっても、『マルコムX』を撮ったスパイク・リーあたりからは、“甘い映画”とバッサリ斬り捨てられそうだが。

テーマは重いが、映画の大半がやんちゃなアンチャンふたりの、くだらない掛け合い漫才みたいで、笑ってしまう。
特に、コリンが逮捕されることになった事件の顛末には大笑いだった。
もし英語が分かったら、10倍は笑うことができただろう。
コメディタッチでテンポ良く進んでいくが、ラストでコリンが下す決断にグッとくる。
見終わったら、意外なことに「力作」という言葉が頭に浮かぶ。
真摯な力作だ。



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