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2019年09月08日00:04

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映画日記 『ドッグマン』 『ゴーストランドの惨劇』

2019年9月7日(土)

『ドッグマン』(2019年)
監督:マッテオ・ガッローネ
矢場町・センチュリーシネマ

正直に告白します。
2〜3回見た予告編と『ドックマン』というタイトルから、小柄で気の弱い犬屋の男が、いつも彼をいじめている暴力的な大男を殺してしまい、その死体を犬に食わせて証拠を隠滅する話だろうとおもっていた。
ところが、見たら、ぜんぜん違っていた。

当らずといえども遠からずといったスト-リー展開だったが、ラストにカタルシスもなければ、救いもない。
見終わって、本作の主人公と同様に、どうしたらいいんだと途方にくれてしまう。
きっと、途方にくれる映画なのだ。

犬屋の小男を演じたマルチェロ・フォンテがすばらしい。
ひとことでいえば、イタリアのダスティン・ホフマン。
『真夜中のカーボーイ』に出てくるダスティン・ホフマンだ。
小心で卑屈で狡猾なのに、やさしさも持ち合わせている。
複雑ではあるが、よくよく考えると、どこにでもいる男を見事に演じきった。


『ゴーストランドの惨劇』(2019年)
監督:パスカル・ロジェ
駅西・シネマスコーレ

16年前、へんぴな田舎にある屋敷で、しのび込んできた変質者ふたりが、シングルマザーの母親と思春期の娘ふたりに襲いかかってきた。
あわやというところで、必死になった母親が、変質者たちを返り討ちにする。
娘たちの目の前でメッタ刺しにして殺してしまったのだ。
事件後、妹は家を出て、いまは幸せな家庭を持つ売れっ子の小説家になっている。
いっぽう心を病んでしまった姉は、母とふたりで今も惨劇のあった屋敷に住んでいた。
ある日、妹のもとに「戻って!」という、のっぴきならない様子の、姉からの電話が入る。
夫と小さな息子を残して急いで屋敷へと駆けつけた妹に、あの日の悪夢がよみがえる・・・・

前日に見た『フリーソロ』の恐怖と比べたら、どんなホラー映画もかすんでしまうだろうとおもっていた。
ところが、『ゴーストランドの惨劇』を見たら、そんなおもいが吹っ飛んでしまった。
こちらも怖い。何度もゾッとし、嫌な気分になる。
もちろん、「恐怖」の質はまったく別物だが。

過去の悪夢がよみがえるという、ホラー映画では定番のパターンかとおもいきや、あっと驚くドンデン返しに、変態まるだし!!
という、てんこ盛りの1本。
思春期時代の妹を、『海賊じいちゃんの贈りもの』の美少女・エミリア・ジョーンズが演じていたのも見どころだ。
ここ数年の間で見てきたホラー映画の中では、断トツの怖さと面白さだった。

傑作!!


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