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2019年03月27日00:40

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本●「邦キチ!映子さん」

本●「邦キチ!映子さん」(集英社)
服部昇大:著

読了。

ふだん漫画は読まないが、表紙の右上に小さく書かれた“邦画プレゼン女子校生”の一行に釣られて買ってしまった。
なんとなく、今の女子高生がボーイフレンドといっしょに、シネコンでポップコーンを頬ばりながら見てる少女コミックを原作にした“壁ドン!”恋愛映画や、難病死別映画を紹介する、エッセイ漫画だろうとおもった。
この手の日本映画をこころよくおもっていない偏屈じじいとしては、「この、たわけども!!」と、漫画相手に毒づいて、日頃のうっぷんを晴らすつもりだった。

ところが、読み始めて5ページ目で大爆笑だ。
それからは、毒づくつもりが一転して虜になってしまった。
爆笑の連続だ。

女子高生の邦吉映子(くによし えいこ)がヒロイン。
彼女は入学早々、部長の小谷洋一ひとりが部員の「映画について語る若人の会」に入部する。
初の部員に張りきる小谷部長。
これからは『ホット・ファズ』や『ベイビー・ドライバー』に『マッド・マックス』と、好きな映画についてのオタク話を思う存分語り合える・・・・はずだった。
ところが、邦吉映子という女子高生は、底なしの日本映画キ●ガイだった!!!!
邦吉映子が繰り出す日本映画のウンチクと、常軌を逸した愛情に、小谷部長は頭を抱えてしまう。
小谷部長はそんな彼女を「邦画のキチ●イ」、略して「邦キチ」(ほうきち)と名付けるのだったが・・・・

邦キチが語り出す映画というのが、『実写版 魔女の宅急便』や『テラフォーマーズ』や『キャシャーン』といった、近年の日本映画では黒歴史として語られる作品が大半だ。
しかし、邦キチの“プレゼン”に、いつしかそれらの問題映画を「見たい!」とおもってしまうのが不思議。

とりわけ、『劇場版 仮面ライダーオーズWONDERFULL 将軍と21のコアメダル』は「見たい!」というレベルを超え、「なにがなんでも、ぜひぜひ見たい!!!!」となってしまった。
邦キチのプレゼンによると、この映画は「仮面ライダー」と「暴れん坊将軍」が合体、じゃなくてコラボするらしい。
とうぜんのごとく松平健が将軍吉宗として登場し、なおかつエンディングは「マツケンサンバ」だという。
それよりも、タイトルの『〜将軍と21のコアメダル』のところは、鈴木則文監督の『エロ将軍と二十一人の愛妾』(1972年)のもじりだろう。
ほんとうに、こんな映画が作られたのか????
作られているのなら、見ずに死ねるか、だ。

買うときは小馬鹿にしてた漫画本に、生きる張りを教えてもらった。



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