「70/70」 鉄路の旅 4
青春18きっぷを使ってJR線の乗りつぶし。
今回は中国地方の山間部を横断してきた。
■第1日目 2019年3月22日(金)
いつものように、仕事を終えてから東海道線に乗り、米原で乗り換え、姫路へ向かう。
17:30 名古屋発
21:19 姫路着
姫路の駅ビルある蕎麦屋で遅い夕食。
仕事が忙しかったので、ビールがうまい。
■第2日目 2019年3月23日(土)
姫路にやってきて、駅ホームにある「駅そば」を食べなければ失礼にあたる。
ということで朝食は「駅そば」だ。
朝の「駅そば」はことのほかおいしい。
腹ごしらえを終え、いよいよ乗りつぶし。
6:55 姫路発
まずは姫新線に乗る。
姫新(きしん)線の“姫”は姫路、“新”は新見(にいみ)になる。
といっても、新見が何県にあるのか分からない。
播磨新宮と佐用(さよ)と二度乗り換え、津山へ向かった。
9:31 津山着
津山には昨年、訪れたことがある。
JR線の乗りつぶしを始めたばかり頃で、岡山〜津山間の津山線に乗った際に降りた。
そのときホームで姫新線の表示を見たことがある。
こんなにも早く、姫新線経由で津山駅を再訪できたことに、自分でも驚いてしまう。
津山駅には未乗の因美線も乗り入れているので、もう一度訪れることになりそうだ。
駅近くに小規模な鉄道博物館みたいのがある。
今回の時間がなかったので、見学できなかったが、次回は時間をとって見学したい。
10:05 津山発
姫路〜津山間はあまりローカル線らしくなかったが、津山を出発してしばらくすると、景色が田舎っぽくなってきた。
ときおり、もとは茅葺きだったのだろうが、今はトタンで覆われた入母屋造りの民家があらわれる。
ぼうっと車窓からの風景を楽しんだ。
姫路からずっといっしょの鉄道ファンとおぼしきおっさん数名にまじって、クルーカットに野球帽の白人青年がひとり、列車に乗っていた。
あきらかに場違いなので、気になってしょうがない。
11:47 新見着
姫新線完乗。
新見で待ち時間を利用して昼食。
駅近くの食堂でフライ定食。
ビールを飲みたかったが、初乗り区間が続くので我慢した。
駅の看板に新見は「A級グルメのまち」とうたっている。
食堂でメニューに猪丼というのがあった。
A級グルメというのは猪のことか????
出発まぎわになって、看板に葡萄のイラストがあることに気づいた。
そうか、ピオーネだ!!
スーパーで新見ピオーネという葡萄を見たことがある。
ここが産地なのか。
13:01 新見発
新見から、伯備線経由で芸備線に入った。
さきほどの白人青年はどこかへ行ってしまった。
新見駅は岡山と松山を結ぶ伯備線の主要駅でもある。
きっと伯備線に乗ったのだろう。
ところが白人青年と入れ替わりに、今度は白人美女が乗り込んできたのには驚いた。
彼女、あきらかに挙動がおかしい。
とにかくキョロキョロ、キョロキョロと落ち着きがない。
車窓から河が見えたら、窓越しにのぞき込み、スマホのカメラで撮影だ。
車中でやってることは「乗り鉄」の私と同じだった。
ひょっとしたら、外人美女の「鉄子」ではなかろうか。
14:25 備後落合着
列車が着いたとたんに、妙に張りきったおじさんが駅舎から飛び出してきて、「備後落合駅に、ようこそ」と挨拶するやいなや、豊後落合駅の歴史についてしゃべりはじめた。
どうもボランティアの方らしい。
私は、とにかくトイレに行きたかったので、彼の話を聞くことはなかったが、おじさんを取り囲む一団の中に、くだんの外人美女鉄子の姿があった。
14:43 備後落合発
備後落合から三次まで、芸備線の未乗区間になる。
一両のワンマンだ。
この区間、どういうわけか車内のトイレが使用できないという。
昼にビールを飲まなくて助かった。
それと、外人美女鉄子がいない。先に出発した、木次線に乗ったらしい。
木次線なんて、ふつうの旅行客は乗らない。なんともマニアックな鉄道旅行をしてる。
外人さんながら、あっぱれ。
今になってふりかえると、新見から備後落合、備後落合から三次までの区間が今回のハイライトだった。
しばしば列車が歩いているのと変わらない速度になる。
はじめのうちは、正直、運転手がふざけてるのかとおもった。
つぎに、「ははーん、きっと、ここは景色がいいからカメラを取りだして撮影しなさい」というサービスだろうと解釈してみたが、そんなに景色の良いところだけでもない。
きっと勾配がきつかったり、危険な箇所だったりで、ゆっくりと走るしかないのだろう、ということで勝手に得心した。
16:03 三次着
芸備線は広島から備後落合までだが、広島〜三次間は昨年の今頃に乗車済みだ。
2年がかりで、芸備線完乗。
この日は三次泊りだ。
こういうことでもなければ、一夜を過ごすことなどない町だ。
ほんとうにジェリー藤尾の「遠くへ行きたい」に出てくるような、知らない町だ。
なにしろ、ここまで、三次、三次と書いてきたが、JR線の乗りつぶしを始めるまで、三次が「みよし」と読むとは、思いもしなかった。
■第3日目 2019年3月24日(日)
7:40 三次発
寒い朝だった。
三次を出て、山間を走る。
ところどころに霜が下りていた。
陽射しがあたる土手から湯気がのぼっている。
山肌の木々は葉が落ちて、枯れ木のようだが、沈んではいない。
芽吹いてやるぞ、という勢いを感じた。
そんな、冬と春が同居する風景を楽しんだ。
前日同様、三次〜府中間は車内トイレが使用不可になっている。
経費削減の一環なのだろうか。
今回はなんとかもったが、数年後に再訪となれば、尿瓶を持参するしかない。
9:30 府中着
競馬場はないが、ここも府中市だ。
府中駅で乗り換えになる。
駅や車内が山あいから、すっかり町の雰囲気になる。
家族連れや福山へ遊びに行く若いカップルなどで車内が混んでいた。
9:36 府中発
結局、福山までドアの横で立つことになった。
車内トイレは使用可だった。
10:19 福山着
福塩線完乗。
姫新線、芸備線、福塩線の三線に乗り、JR全線の乗車率が、
51.819% から 53.473% になった。
ピオーネの新見は岡山県だった。
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