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2019年03月13日01:52

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映画日記 『ローマ/ROMA』

マイミクさんから、梅宮辰夫の『ひも』『いろ』『ダニ』『かも』といった一連のスケコマシ映画は、“夜の青春”シリーズと銘打たれていたと教えてもらった。
ネットで検索したら、梅宮辰夫には『夜の歌謡シリーズ 伊勢佐木町ブルース』や『夜の歌謡シリーズ 悪党ブルース』といったタイトルの、“夜の歌謡”シリーズというのも出てきた。

2019年3月12日(火)

『ローマ/ROMA』(2019年)
監督:アルフォンソ・キュアロン
南大高・イオンシネマ大高

メキシコシティの裕福な白人系メキシコ人が暮らす住宅街に住む医者一家が舞台。
ときは1970年から71年というから、梅宮辰夫が『不良番長』シリーズや『夜の歌謡』シリーズでブイブイいわせていた頃だ。

金持ちの医者一家に住み込みで雇われている、ネイティブ・メキシカンの若い家政婦が、悪い男に遊ばれて、妊娠したあげく捨てられてしまうという話・・・・と、あらすじだけなら、まるで梅宮辰夫の映画みたいだが、これがすごいことになっていた。

なにが凄いって、モノクロの映像がすごい。
モノクロの画面の中に、うっすらと見える飛行機がすごい。
モノクロで撮った、都会の夜のきれいなことよ。

音がすごい。
ビルの谷間に反響する、デモ隊の乾いた喚声音がすごい。
焼き芋屋や、さおだけ屋みたいな行商人の呼び声がすごい。
屋台のラーメン屋の、チャルメラそっくりの音も流れてくる。

長回しがすごい。
街中を登場人物たちが駆けていく姿を長回し+移動撮影で追いかけていく。
私のような移動撮影好きにはたまらない。
長回しで、えんえんと映しだされる出産シーンを、顔をしかめて見ることになった。

そして、クライマックスの長回しと音がすごかった。
それは海辺のシーンだ。
ヒロインの若い家政婦が海の中に入っていく姿を長回しで撮る。
彼女が、どんどん沖へ進んで行く。まわりの波がしだいに高くなっていく。
だんだんと波の音も大きくなっていく。
波の高さと波の音に、からだがこわばってしまった。

以上、読んだだけでは何のことかさっぱり分からないとおもう。
力不足の私には、この映画の良さを、順序だって述べることができない。
月並みな言い方になるが、『ローマ/ROMA』は体感する映画だった。

サムライと砂ぼこりが黒澤明、ひからびた大地がパゾリーニ、そしてどことなくフェリーニも。
これまで見てきた映画を、思い出しながら見ることになった。
そういった意味で、数年に一度、映画を趣味にし、ふつうの人よりたくさん見ていることがホントに良かったとおもえる作品に巡り会えることがある。
『ローマ/ROMA』は、まさしくその1本だった。

ところで劇中にフランスの喜劇王、ルイ・ド・フュネス主演の映画『大進撃』が出てくる。
『大進撃』は高校生のときに見て、爆笑の連続だった。
おもがけないところで、ルイ・ド・フュネスを見ることが出来て、こちらもうれしかった。

傑作!!


<追伸>
目をつむっての片足立ちをマネしたら、転倒しそうになった。
あぶないので、マネしないように。とくに高齢者は。



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