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2019年03月09日00:04

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映画日記 『運び屋』

大学生のころ、学校までバス通学だった。
バス路線の途中に、名古屋では有名なポックリ寺があった。
月に2度ある縁日には、市内だけでなく近郷近在のお年寄りがウンカのごとく押し寄せ、バスが立錐の余地がないほどの大混雑になる。
ある日、その縁日にあたってしまった。
私は始発からだったので、のんびりと座っていたら、途中の停留所からお年寄りが続々と乗車してくる。みるみる満員になった。
さすがに、これはまずとおもい、目の前によろよろと立っていたお婆さんに席をゆずった。
そしたら、そのお婆さんが、「ありがたいことだ、ありがたいことだ・・・・」と数珠を持つ手をすり合わせ、立ってる私を拝みだした。

映画を見ながら、そんな昔のできごとを思い出した。


2019年3月8日(金)

『運び屋』(2019年)
監督:クリント・イーストウッド
名駅・ミッドランドスクエアシネマ2

前宣伝では、90歳の爺さんが麻薬の運び屋をしていたという実話をもとにした映画だという。
見たらその通りだったので、あらすじは省略。

『人生の特等席』(2012年)以来、7年ぶりに見たクリント・イーストウッドの姿に、「老けたなあ」と、まっさきにおもってしまった。
背中が曲がり、しゃれこうべに渋皮が張り付いたような面相が、まるで即身仏だ。
ところが映画がすすんでいくと、彼の口からウィットに富んだセリフがポンポン飛び出し、運転中にカーラジオから流れる曲にあわせて調子はずれの鼻歌を楽しそうにうたう姿を見てると、スクリーンの中の御年88歳になるクリント・イーストウッドを拝みたくなってくる。
即身仏なんて失礼だ。
その姿は、生き仏様だった。

イーストウッド扮する爺さんは、麻薬組織のあんちゃんたちから「タタ」という暗号名で呼ばれていた。
正しくは「タッタ」だろうとおもう。



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