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2019年01月23日23:49

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映画日記 『チワワちゃん』 『共犯者たち』

2019年1月23日(水)

『チワワちゃん』(2019年)
監督:二宮健
豊山・ミッドランド名古屋空港

名古屋空港まで行く用事があったので、ついでに映画を1本見てきた。
朝イチで飛び込んだが、チケット売場には高齢の夫婦連れの長い行列ができていた。
なかなか順番が回ってこないので、やきもきする。
やっとこさ、映画が始まる直前にチケットをゲットすることができた。
みんな、何を見に来てるのかなあ?
やっぱり、『ボヘミアン・ラプソディ』かな?
とおもったら、聞こえてくる会話から、お目当ては『マスカレード・ホテル』のようだ。

いっぽう『チワワちゃん』は淋しい入りだ。
まあ、朝いちばんで老夫婦が駆けつけるような映画ではない。
ギラギラした原色、グラグラと落ち着かないカメラ撮影、ガンガン鳴り響くクラブ・ミュージックに、私も体調が悪かったら、クラクラしそうだ。

東京湾で人気モデルのバラバラ死体が発見された。
ニュースの顔写真を見て、門脇麦扮するミキは被害者が遊び友だちのチワワであることに気づいた。
そんな矢先、ミキは生前のチワワについて、雑誌ライターから取材を受ける。
いっときは毎日のように、いっしょに遊び呆けていたチワワのことを、ミキは何も知らなかったことに愕然とした。
そもそも彼女の本名すら、ニュースで初めて知ったのだ。
チワワとは、いったい何者だったのか???
ミキは、チワワといっしょに毎晩遊び歩いていた若い男たちと女たちを、訪ね歩くことになるのだが・・・・

誰もが楽しげに踊っているクラブのダンスフロアでのこと。
浅野忠信扮するパートナーが、一瞬席を外したために、それまでダンスに興じていたチワワのまわりだけ、まるで音楽が消え去ったかのようにシンとなる。
チワワの不安なまなざしが、宙をさまよう。
大都会の喧噪の中で、誰もがふと感じる孤独な一瞬を、見事にとらえたシーンだ。

ラストで、追悼の献花をするため、ミキをはじめとする遊び仲間が東京湾にやってくる。
その様子を、村上虹郎扮する映画監督志望の青年がビデオカメラを回しながら撮りはじめた。
カメラに向かって、ひとりひとりがどこどこ出身の誰々です、と本名を名乗りはじめた。
チワワだけじゃない。
誰もが、彼たちの、そして彼女たちの本名を知らないのだ。

そのことの、良し悪しを問う映画ではないとおもった。
私だってハンドルネームだ。
いまはこういう時代であると、観客の目の前に、ごろりと投げ出したような映画だった。


『共犯者たち』(2018年)
監督:チェ・スンホ
今池・名古屋シネマテーク

ときの権力者と、権力者の手先となってジャーナリズムを骨抜きにしようとした「共犯者」たちを実名で、顔にボカシなしで、スクリーンに映しだす。
青瓦台と「共犯者」たちは、多くの報道番組が潰した。
番組にたずさわったスタッフやアナウンサーたちが、不当解雇や配置転換によって取材現場から外されてしまう。
しかし、彼らも黙ってはいない。
SNSを武器の、権力者と「共犯者」たちにNOをつきつけていく・・・・

反骨と気骨にあふれた1本。
日本の現状との落差に、深いため息をつきながら見ることになった。

力作。



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