名古屋・金山駅前にありながら来館者激減で閉館となってしまった『名古屋ボストン美術館』。ボストン美術館のブランドが桎梏となって、フレキシブルな展覧会を開催することができなかったのも一因だったのだろうか。我が人生、4度ほど訪館。
こちらは2度目の訪館。
『内藤礼 明るい地上には あなたの姿が見える』(水戸芸術館)★5.
今日が最終日とあって、昨日夕刻、ワイフさんに日帰り旅行許可をいただいてネットで特急指定席を抑え、朝8時に自宅出発。
内藤礼といえば、おいらが日本一好きな美術館である豊島美術館「母型」の作者。
日曜美術館を観ても、先に行ってきたというアート好きな友人ちゃんの話を聴いても、この個展は巡回が難しそうな展示のようで、最終日を超えたらもう二度と目にすることができないかもしれない恐怖心が先だった。
品川から始発の特急『ひたち』に乗ってわずか90分。(途中停車駅は東京、上野だけ

)、日本で47番目に好きな都道府県、茨城県は水戸にやってきた。
レンタサイクルを借りて、いざ芸術館を目指したが、いきなり現れた東照宮の鳥居にブレーキをかける。
本殿への参道を覆う屋根を見上げると、紅白梅と菊の御紋。
揮毫を担当する祢宜さんが自ら、おいらの御朱印帳を受け取っていただき、先行き良好。
美しい。
電動アシストはおいらの股間にラクチンを醸し出し、2kmの距離をわずか5分でたどり着く。
高さ100mのシンボルタワーに敬意を表し、外階段を登って日比野克彦作の屋外新作展示『明後日、朝顔プロジェクト2018』を鑑賞。
すると、作家本人がその辺を歩いていたので、「ひびのせんせ〜

」と声を掛け、ノートにサインを書いていただいた。

「瀬戸内とか、この前は越後の作品も観てきました

」
瀬戸内には反応が薄かってけど、越後には「オッ」って感じでペンを止めた。
リアクション、ありがとう。
イベントに参加していた日比野先生は、ランチタイムに奥さまのこずえさんとどこかへ出掛けて行った。
屋外から館内を覗くことはできないが、怪しい小さなスクエアを見つけた。
のちほど、館内の展示につながる仕掛けであることが判明した。
さすがに最終日とあって、それなりの集客をこなしているが、上野のそれとは程遠く、心地よい混雑具合。
「リストを手に、作品を見逃さないように

」という忠告をしっかり守り、不思議なインスタレーションの世界に感動を続けていく。
案内係が観客一人一人に注意を促す某1室。
ぼーっとしていたり、或いは走って美術館を通り過ぎる人々には観ることのできない作品。ふと、視界に入り込んできた1本のテグス。
やってくる観客の多くは、まるでオウム真理教の宗教服のように白さ際立つ装いをしているが、これが本展覧会のマナーだったのかもしれない。
自然光だけで作品を見せるチャレンジングな展示姿勢も、それを理解する人々が集まっているのだからおそらく大成功。
彼ら、彼女らのどのくらいが豊島の母型を愉しんだのか。
来年、また会いに行きたくなった。次回は「きんざ」も必ず観てこよう。
床に置かれている2つの水入りガラスポット。

「蹴とばした人、居ませんでしたか?」の問いに、笑いながら「何人かは

」と応えてくれた案内係。
廊下に飛び込んできた微かなスクエアの光。これすら内藤礼の作品なのだ。
「1枚づつお取りください」と、お持ち帰り可能の薄紙のコースター。
もらったものの、どうしたらいいのか天井の光を求めたり、何度も何度も裏返したり。
よく見ると1面の真ん中に小さな小さな赤い文字を見つけることができる。ノミのような大きさだ。
第1展示室に戻り、作品のひとつである鏡に丸い紙を映すと、見えてくる3文字。
《おいで》
作品の写真撮影が認められておらず、素晴らしさを映像で伝えることができないが、たとえ伝えても明日からは作品に出会うことすらできない。
バンクシーの切り刻まれた作品を2億円出して買いたいものもいれば、内藤礼の不思議な作品を、千秋楽だからと特急に乗って追いかけていくもの(←おいら)もいる。
芸術がわからないければ、朝5時に起床して茨城くんだりまでゴルフしにくるものもいるように、どれもこれも似たようなものなのだ。
滞館時間90分。
ランチタイムには芸術館に備えられた中華料理レストラン『美虎』でミニコース。
メインディッシュの『かぼちゃ担々麺』の美味しさは筆舌。
辛いはずのタンタンスープにカボチャの甘さが溶け込んで、これまでにない深い味わいを経験した。
そして、何よりもレストランのホスピタリティは茨城一のグレードだろう。
ハーブティーのサービスは、お値段以上の最高評価。
日帰りの旅につき、帰路は水戸駅16時50分
芸術館を13時過ぎに出発し、南口へ渡り、まずは吉田神社で御朱印ゲット。
小ぶりな神社ながら、庭木や石庭からありがたいパワーが漂ってくる。
社務所のおねえさんから「しおりをお付けします」と、御朱印帳用の手作りしおりをいただいた。茨城県、好きになりそうだ。
千波湖とともに見えてくる茨城県近代美術館の威圧感。水戸の誇りを漂わせる。
展示会は『ポーラ美術館コレクション モネ。ルノワールからピカソまで』★4.

「帽子を持っていくと100円引き」という未確認情報をいただいたが、世界一帽子の似合わない男、おいら。(←おいら)
従って、おいらときたら小学生時代の紅白帽以来、帽子を買ったことがない。
被ったこともない。
ただ、100円引きはけちんぼおいらとしたら、大金に違いない。
ジムバッグにいつも入っているスイミングキャップをポケットに忍ばせて、近代美術館のチケット売り場へ向かう。

「プールで使う帽子でもいいですか?」

「

…少々、お待ちくだされ」
おそらく開館以来、初めてのケースのようだ。館長室に入り込んで鳩首会議。

「お客様、お待たせいたしました。スイミングキャップを被っていただければ、通常の割引サービスを受けられることにします」
ポケットから丸めたシリコンキャップを取り出して、ブニュブニュになったキャップを広げて頭に被せて両手ピース。
もぎりちゃん、定価1,190円→1,080円の割引入館券にスタンプを押して、ひと言。

「館内では帽子を脱いでいただくようお願いしています

」
ついでに、「ゴーグルも外せ

」と警備員から注意されたのは、書くまでもない。(←書かない)
日本人のモネ好きを満足させようと、モネだけでも7作品ほど並べられ、シスレー、セザンヌ、ルノワール。
撮影フリーの作品が途絶えると、作家さんの人気レベルも下降気味。
館内で「なんで、ここから写真を撮れないのだ」と、クレームを付けている子供連れ4人家族のマヌケ主人がいたが、やはり茨城。これぞ、茨城。
ポーラ美術館で観たものも多く、それほどの変化も抑揚も感じない展示会だったが、胸躍ったのは近美コレクション展の和製洋画作家たち。
1階ホールに威風堂々とロダン『3つの影』
これには、”なるほど!”と大きく得心するウンチクがあるのだが、これはまた別の機会。
日帰りにつき、駆け足に茨城県水戸紀行。
最後は水戸の肛門に敬意を表し。

名古屋ボストン美術館が閉館
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=5322714
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