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2018年09月25日01:50

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映画日記 『止められるか、俺たちを』

2018年9月24日(月)

『止められるか、俺たちを』(2018年)
監督:白石和彌
長野市権堂・長野松竹相生座、長野ロキシー1・2

白石監督と出演者の井浦新とタモト青嵐の3人が舞台挨拶をする先行上映会。
満員札止めだった。
劇場の相生座は築120年という。2階席があったのには驚いた。

ときは政治と文化に、若者たちの反乱が巻き起こっていた1969年から71年の2年間。
新宿でふらふらしてた若い吉積めぐみがヒロイン。
彼女は、ひょんなことから若松孝二率いる若松プロに入り助監督となる。
若松孝二が吠える。
「映画は自由だ」「すべてをぶち壊せ!」
彼女がいう。
「映画監督になりたい。でも、何を撮りたいのか、分からない」

あの時代、いや、どんな時代にも、何ものかになろうともがきながら、結局は何ものにもなれなかった多くの若者たちがいた。
そんな若者たちの高揚と無念の物語。

足立正生や大和屋竺に荒井晴彦、吉積めぐみだけでなく、若松プロには引き寄せられるように多くの若者たちが集まっていた。まるで梁山泊だ。
その長となる若松孝二も、当時33歳だったという。
飲んで、喧嘩して、金儲けの悪だくみをする。
若松プロを舞台にした、ひとつの時代の群像劇であり、まぎれもない青春映画だった。

画面がモノクロからカラーへとリズミカルに変化する。
朱文字の映画タイトル“止められるか、俺たちを”の出し方が見事に決まっていた。
現在の新宿駅を撮って、1970年頃の新宿駅と言い切る。
その確信犯ぶりに、たしかに「映画は自由だ」とおもった。

ヒロインの吉積めぐみを演じた門脇麦が好演。
藤原季節扮する荒井晴彦の才能に、キッとなって嫉妬するシーンが印象に残る。
若松孝二を井浦新。はじめのうちこそ長身でカッコよかったことに違和感があったが、しまいにはちゃんと若松孝二に見えたのが不思議。
寺島しのぶや高良健吾に、古くは吉澤健と、チョイ役のにぎやかな顔ぶれも見どころだ。
篠原勝之に大笑い。

時間がなくて、サイン会に参加できなかったのが残念。
名古屋で、もういちど見に行くつもり。


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