mixiユーザー(id:6810959)

2018年09月21日01:44

102 view

映画日記 『さらば冬のかもめ』

2018年9月20日(木)

『さらば冬のかもめ』(1976年)
ハル・アシュビー:監督
NHKBSプレミアム

ノーフォークにあるアメリカ海軍の基地で、病的な盗み癖のある18歳の新米水兵・メドウズ(ランディ・クエイド)が、募金箱のわずかな金をくすねようとして捕まってしまった。
間が悪いことに、募金箱を設置したのが基地司令官の妻だったため、8年の刑になってしまう。
メドウズをポーツマスにある海軍刑務所に護送するため、バダスキー(ジャック・ニコルソン)とマルホール(オーティス・ヤング)、ふたりの古参兵がその任にあたることになる。
二日もあれば護送は終わるはずだった。
しかし、バダスキーは、人生のいちばん楽しいときを刑務所で過ごすことになるメドウズが、不憫でならない。
彼は未成年のメドウズに、うまいハンバーガーをくわせ、ビールをたらふく呑ませ、海兵隊相手に喧嘩をふっかけ、そして女のいる宿に連れて行った。
メドウズは青春時代に経験すべきことを、刑務所に入るまでの数日間で味わうことになる。
そんなバダスキーに、マルホールは文句をつけるものの、最後はいっしょに騒ぐことになる。彼もバダスキーと同じ気持ちなのだ。
冬の寒風の中、男3人のぐだぐだとした旅が続いていくのが・・・・

途中までどんなにうまくいっても、最後の最後で大きな壁にぶちあたってしまう。
登場する男3人の人生は、これまでずっと「負け戦」だったのだろう。
そんなバダスキーとマルホールが、今度だけはと、刑務所の年若い上官に向かって最後の意地を見せる。
しかし、それもつかの間、数日後にはノーフォーク基地での倦んだ日常が、ふたりを待っている。
人生のやるせなさに憤懣しつつ、それでもボチボチと生きていくしかない。
ラストに流れる♪錨をあげて〜の勇ましいメロディが、不器用な男ふたりへの応援歌のように聞こえた。



10 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年09月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30