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2018年09月20日00:41

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映画日記 『悲しみに、こんにちは』 『禁じられた遊び』

2018年9月19日(水)

『悲しみに、こんにちは』(2018年)
監督:カルラ・シモン
今池・名古屋シネマテーク

夏休みに祖父母の家に行った最初の夜、寝付けない布団の中で、父母や親戚のおとなたちが小声でひそひそ話をしているのを、寝たふりをして聞いていた。
そんな大昔のことを、思い出させてくれた1本だった。

母をなくして、一人っきりになってしまった少女・フリダは、バルセロナから田舎に住む叔父のもとに引き取られた。
叔父には妻のマルガと、フリダにはいとこになる幼いアナがいた。
なれない田舎暮らしと、亡き母への思慕から、フリダの心はゆれ動いてしまう。
親身に接する叔母のマルガに冷たく反抗し、天真爛漫にお姉ちゃん大好きと慕うアナにいじわるをする。
自分でも、そんなことをしてはいけないと分かっているのに、どうしようもない。
そんな、かたくなに閉ざしていたフリダの心が、やがて少しずつ氷解していく・・・・

フリダが背負っているものが、少しずつ見えてくる語り口や、森の中の小さな池に胸騒ぎをしてしまうサスペンスなど、見事なものだ。
そして、見る者を鷲づかみにしてしまうラストシーンが素晴らしい。
それは、フリダが暗くて不安な長いトンネルを、ようやく抜け出した一瞬だった。

フリダを演じたライア・アルティガスと、幼いアナ役のパウラ・ロブレスのふたりが、とても愛らしい。
マルガ役のブルーナ・クッシも印象に残る。

傑作!!

気分がいいので、もう1本見てきた。


『禁じられた遊び』(1953年)
監督:ルネ・クレマン
東新町・名演小劇場

超有名な映画だが、実は見るのは初めてだった。
反戦映画の金字塔という側面もあるが、私には“ボーイ・ミーツ・ガール”の恋物語だった。
ヒロインの少女・ポーレットが、朝食がまだだったので「おなかがすいた」と、ミッシェル少年に訴えるシーンがある。
ミッシェルはポケットからリンゴを取り出して、ポーレットに手渡した。
ポーレットが大喜びするとおもって見てたら、においをかいでひとこと、「わたし、リンゴは嫌い。カフェ・オレがいい」と言いだしたのには、おもわず苦笑してしまった。
ポーレットは、小さいながらも、しっかりと男を手玉にとるフランス娘だった。

本作は直前に見た『悲しみに、こんにちは』や、少し前の『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』といった、子どもが主人公の映画全般になんらかの影響を与えているとおもう。
ポーレットが「ミッシェル、ミッシェル・・・」と叫びながら群衆の中にまぎれていくラストシーンと、『フロリダ・プロジェクト〜』の少女ふたりがディズニーランドに消えて行くラストシーンが重なってしまう。
もちろん、ふたつのラストシーンの意味合いはまったく異なるのだが。

ポーレットを演じたブリジット・フォッセーの可愛さに、メロメロになってしまう。
そのブリジット・フォッセーも、いまは72歳という。



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