2018年6月22日(金)
『それから』
監督・ホン・サンス
矢場町・センチュリーシネマ
社長ひとり、アシスタントひとりの零細出版社が舞台。
ヒロインのアルム(キム・ミニ)は前任者の退社にともなって採用され、この日が初出社だった。
ところが突然社長(クォン・ヘヒョ)の妻(チョ・ユニ)がやってきて、アルムにビンタをくらわした。
どうも、アルムを夫の浮気相手と勘違いしたらしい。
アルムに起こった何がなんだか訳のわからない不条理な事態と、その顛末とは・・・・
その名前は何度か目にしたことのあるホン・サンス監督作品を初めて見た。
無理やり作ったようなストーリーだが、これが面白かった。
時制をずらしているのか、あるいはピョンと時間を飛ばしているのか、ときどき????となる。
そんな疑問も終盤になると、なるほどそういうことだったのかと腑に落ちた。
ラストの中華料理屋の出前持ちが登場するシーンは拍手ものだ。
一般的な映画の文法とは異なるが、この面白さは初めての体験だった。
キム・ミニ、イイネ!!
彼女が「アンニョンハセヨ」と言うセリフのなんという心地良さか。
『お嬢さん』の御禁制言葉もよかったが、こちらのほうも私の耳が喜んだ。
ところで、本作を見て、漱石の本は「坊っちゃん」しか読んでいないことに気づき、ちょっと焦ってしまった。
ログインしてコメントを確認・投稿する