ほんとうは『レディ・バード』を見たかったが、タッチの差で上映開始時間に間に合わなかった。
しかたがないので、こちらも金曜日封切りの1本を見てきた。
2018年6月1日(金)
『ビューティフル・デイ』(2018年)
リン・ラムジー:監督
名駅・ミッドランドスクエアシネマ2
奇妙な映画で面白かった。
苦界に堕ちてしまった少女・ニーナ(エカテリーナ・サムソノフ)を、過去のトラウマに捕らわれてしまったろくでなし男のジョー(ホアキン・フェニックス)が救い出すという話。
誰が見ても『タクシー・ドライバー』だ。
ただし少女が堕ちた苦界というのが『タクシー・ドライバー』のジョディ・フォスターより、もっと悲惨だった。
乱暴な感想になるが、この映画はいまの世界中をおおっている肥だめみたいな状況への怒りだ。
そんな世界に、とことん絶望したろくでなし男が文字通りの鉄槌を振り下ろす。
救いようのない映画だったが、ラストはかすかな希望に包まれた。
かすかな希望をもたらしたのは、苦界に堕ちたはずの少女だ。
少女・ニーナがろくでなし男のジョーに、たしかこんなセリフを語りかける。
「・・・ジョー、今日はとてもビューティフルな1日になりそうよ・・・」
『ビューティフル・デイ』というのは、なかなか良い邦題だ。
ニーナを演じたエカテリーナ・サムソノフに注目!!
ラストで早朝のカフェに集まった常連客たちがえんえんとダベる。
英語がからきし駄目なので、何をしゃべっているのかさっぱり分からないが、ピントのあった録音が印象に残った。
幸先のよい6月の始まりだった。
そして、天気予報によると明日は“ビューティフル・デイ”になりそうだ。
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