2018年2月28日(水)
『ゆれる人魚』(2018年)
アグニェシュカ・スモチンスカ:監督
矢場町・センチュリーシネマ
本日で上映終了だったので駆け込んだ。
人魚が主人公の映画なので、早とちりの観客が明日から公開の話題作『シェイプ・オブ・ウォーター』と間違えて切符を買わないように、早めに上映を切りあげたではないかとにらんだ。
ポーランドの海辺で遊びにきていたロックバンドが歌っていたバラードを聞きつけて、かわいい人魚の姉妹が海から顔を出した。
バンドに誘われて人魚姉妹は陸にあがることにした。
ふたりはバンドが雇われているストリップが売り物のナイトクラブに出演して人気者になる。
そのうち人魚の姉とバンドのイケメンベースマンが恋仲になってしまう。
そうなると面白くないのが妹だ。
「きっとろくなことにならないから、お姉ちゃん、やめときなよ」といったあんばいの視線を姉に向けるのだが、姉はイケメンしか眼中にない。
妹はいけ好かないイケメン野郎を険しい目つきでねめつけ、グルグルと不気味に喉をならしはじめた。
この姉妹、人魚といっても実は人食い人魚だったのだ・・・・
『シェイプ・オブ・ウォーター』だけでなく、ちょっと前に見た『RAW〜少女のめざめ〜』とかぶってる。
さらには全編にわたって登場人物たちが歌いまくるという『グレイテスト・ショーマン』ばりのミュージカル仕立てだった。
少女ふたりが主人公の東欧映画ということでチェコ映画の『ひなぎく』を思い出す。
加えて胴体切断や人肉かぶりつきシーンに、人魚姉妹がすっぽんぽんになってかわいい胸やお尻や惜しげもなく披露するという大サービス。
いわば、映画の全部乗せ!
見どころは人魚姉妹を演じたマルタ・マズレクとミハリーナ・オルシャンスカのふたりの女優さん。どちらもイイネ。
とにかく、これってひょっとしてミュージカル?
と、気づいた時点で唖然となった。
エロカワ気味悪ホラーファンタジーミュージカル。
よくもまあ、こんな無茶な映画を作るものだ。
映画の出来不出来より、作り手たちの意気に感じる映画だった。
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