2018年2月13日(火)
『アバウト・レイ 16歳の決断』(2018年)
ゲイビー・デラル:監督
名駅・ミッドランドスクエア シネマ2
われらがエル・ファニングちゃんが性同一性障害の少女、つまり少年のレイを演じる。
アメリカでは未成年者が自認する性になるためのホルモン投与などの治療をするには、両親の同意書が必要なようだ。
レイの母・マギー(ナオミ・ワッツ)は離婚したシングルマザーだった。
マギーは同意書のサインをもらうため別れた旦那のもとに行くのだが、ふたりの間の過去が原因で、どうしてもギクシャクしてしまい、サインがもらえない。
業を煮やしたレイは、生まれてすぐに別れてしまった父親のもとに乗り込んだ。
そこへレイを追ってきたマギーがやって来た。
とたんにマギーと父親の罵りあいが始まる。
ふたりの言い争いの中で、ある秘密があきらかになってしまう。
それは・・・・
レイが自らの本来の性へと勇気を持って一歩を踏み出す物語であると同時に、これまで娘時代のままに、何かにつけ他人に依存してきた母親のマギーが成長し、真の“オトナ”になる話だった。
エル・ファニングが前面に立っているが、ほんとうの主役はナオミ・ワッツだろう。
ラストの祝宴の場に、気合いを入れるためか、涙をかくすためか、洗面所に飛び込んで顔を洗ったエル・ファニングに続き、意を決して乗り込んでいくナオミ・ワッツが素晴らしい。
コメディ・リリーフみたいなレズビアンの祖母を演じたスーザン・サランドンと彼女のパートナー役に扮したリンダ・エモンドの肩の力を抜いた芝居が、主演のふたりを陰から助ける。
文字通りの見事な助演ぶりだった。
そして、われらがエル・ファニングちゃん。
序盤はなよなよしてたが、後半になって髪の毛を切ってからは凜々しい美少年にしか見えない。
その雰囲気が菅田将暉だ、
近年のエル・ファニングが演じた役柄が、狂信的な宗教者に宇宙人に本作と振れ幅を大きい。
菅田将暉と同様に、エル・ファニングもカメレオンだ。
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