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2018年02月04日02:08

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映画日記 『殺人者の記憶法』 『羊の木』

2018年2月3日(土)

『殺人者の記憶法』(2018年)
ウォン・シニョン:監督
駅西・シネマスコーレ

主人公がアルツハイマーで認知症の連続殺人者という、摩訶不思議な設定の犯罪サスペンス。
頭はボケてるが殺人者としての手触りは今も体が覚えている。
そんな主人公の前に、自分と同じ臭いのする男があらわれて・・・・

うーん、微妙。
話よりも主人公を演じたソル・ギョングの妙な髪型がヅラっぽいので、ずっと気になってしかたがない。
ところが、もうひとり「お前もヅラだったのか!!」となるシーンが出てくる。
このシーンはちょっとびっくり。
オ・ダルスも出てた。というか、彼が出てるから見に行ったようなものだ。
しかし、オ・ダルスである必要もないような役だったのが残念。

帰宅して主演のソル・ギョングという男優さんが『力道山』(2006年)の人だと知った。
あまりにも見た目の印象が違っていたので、驚いた。


『羊の木』(2018年)
吉田大八:監督
伏見・ミリオン座

北陸のとある地方都市に、謎めいた男女6人が次々とやって来た。
市役所の手配で彼らには住む家と仕事が与えられた。
彼らの世話をすることになった市役所職員が、彼らの素性を知って愕然となる。
6人全員が人殺しだった・・・・

話の前提となる刑務所のコスト削減と地方の人口減少をカバーするために、こっそりと受刑者を地方に移住させるという国家プロジェクトが、どうもリアリティに欠けると思った。
ところが、映画が進むうちに気にならなくなる。
そうか、これは寓話なのだ。

汝、罪人(つみびと)を愛せるか?

という命題を見る者に問いかけるための寓話だ。
罪といっても親の財布から小銭をくすねるといった類のことではない。
本作の6人は人を殺めるという、人間としての一線を越えてしまった罪人たちだ。
問いかけられても即答できないような命題だ。
この映画に即していえば、安藤玉恵のようにありたいとは思うのだが、現実となったらどうなるか分からない。

寓話には教訓がつきものだ。
ラストがまるで寓話の教訓みたいな描き方でちょっと笑ってしまった。
その教訓ともいえる、

「悪いことをすると、罰(バチ)があたる」

という感覚が、意外なことに新鮮だった。

田舎町の役場職員になりきった錦戸亮をはじめ、登場する俳優たちがいずれも好演。
笑う田中泯なんて、初めてかもしれない。
とりわけ床屋を演じた水澤伸吾が印象に残る。
祭礼の日のシーンは鬼気迫るものがあった。



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