日本を代表する教会の一つ、丹下健三設計の関口教会。
東京カテドラル聖マリア大聖堂で室内合奏団のクリスマスコンサートが開催される、というフライヤーを手にして、とりあえずワイフさんに声を掛ける。必然的に。
10月某日。

「教会で室内管弦楽のコンサートがあるけど、眠くなるしつまらないから行かないよね?」

「いつ?」

「12月6日、水曜日。週の真ん中で忙しいね」

「いいよ」
日本語の難しさを恨んだ。
NOのいいよ

なのか、YESのいいよ

なのか。
日本語を作った金田一春彦に恨みさえ覚えてしまう。
どちらの“いいよ”なのか、聞くことができぬままチケットを2枚入手し、コンサート前日を迎えることとなった。
12月5日。

「明日、教会のコンサートの日なんだけど、忙しいよね」

「いいよ」
金田一秀穂すら憎い。
恐る恐るどちらの“いいよ”なのか、お伺いを立てる。

「行ってもいいよ。(←行く)もろびとこぞりて、ぐらいなら分かるから

」
さて、すぐさま夕食の手配に掛かる。
関口教会の正面にある『椿山荘』
結婚式場での挙式を考えなかった我が夫婦は、ブライダルフェアすら経験していない。
雅叙園、八芳園、そして椿山荘。
ご祝儀を持って参加することはあっても、ご祝儀をいただいたことはない。
コンサート開演2時間前に予約をいれ、目白から都バスで向かう
予約時間までの間、ホテルのショップやロビーでウロチョロ。
結婚式場といえばマストなスポットがトイレット化粧室。
いろいろ彷徨っていたら庭園への出口が見つからず迷子になり、意図しない非常口から庭園に抜け出した
庭園の奥地にその蕎麦屋があると聞いていたが、庭園を彷徨って別邸にまで辿り着く。
これを漢字2文字で表すなら「迷子」。
たまたま帰り支度を整えていた従業員さんがいたので、蕎麦屋まで随行いただき万事解決。
さすが、リスクに強い川崎オスカーである。
そば会席を美味しくいただいた。
あらかじめ店長さんにコンサートの開始時間を伝えていたので、スムーズに配膳され、こちらは出てきた料理を愉しく口に運んでいく。
銀鱈の西京焼きがものすごく美味しい
開演20分前、余裕を持って教会へ向かおう。
夕闇に包まれた椿山荘の庭園から、荘内のチャペルを少し覗いて、ホテル館に入ると、もう出口がわからない
ベテラン夫婦、彷徨うの図。
前方を歩いていた式場見学に来ていた熱愛カップルの後ろについて、ブライダルコンシェルジェ姉さんに出口を尋ねる。

「お幸せに

」と、笑顔で偉そうな祝辞を彼らに贈り、めでたく目白通りを発見。
東京カテドラル関口教会へと足を踏み入れる。
『クリスマス/アヴェ・マリア』(サンクトペテルブルグ室内合奏団)
コンサートマスターを務めるイリヤ・ヨーフ氏のテクニックがすごい。
特にヴィヴァルディの「冬」。
BRAVO!の声援を誰よりも早く絶叫し、聖堂内にこだました。

「お腹も満たしたし、絶対に寝るよね」と宣言していたワイフさんも、外人さんたちの精緻な演奏に引き込まれ、舟を漕ぐこともなく感動を得ていたようだ。
それどころか、第二部のブラームス「子守唄」では、ハミングさえ聞こえてきた。
山下達郎のLIVEだったら退場は確実だが、騒音のもとがワイフさんとあっては大きな心をもって受け容れるしかあるまい。
で、受け容れていたら、シューベルトの「アヴェ・マリア」に至ってはソプラノとともに、口ずさんでいるではないか
もろびとこぞりては聞けなかったが、楽しんでいただければそれでいい。
これでワイフさんにして、クラシックコンサートがクセにならなければいいのだが
大聖堂という雰囲気とコンマスのテクニック、そして知っている小品ばかりの演奏曲。
★5.

セットリスト
1.ヘンデル「合奏協奏曲集 作品6−5 HWV。323 �機�
2.パッヘルベル「カノン」
3.ヘンデル「ハープ協奏曲 �機�
4.ヘンデル「オンブラ・マイ・フ」
5.J.S.バッハ「G線上のアリア」
6. J.S.バッハ(グノー編曲)「アヴェ・マリア」
7.マスネ「タイスの瞑想曲」
8. カッチーニ「アヴェ・マリア」
9. ヴィヴァルディ「四季」より"冬"
INT
10.モーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク�機�
11.チャイコフスキー「エレジー」
12.ブラームス「子守唄」
13.シェーンベル「ク ノットゥルノ〜ハープと弦楽のための」
14.サン=サーンス「白鳥(「動物の謝肉祭」より)」
15.マスカーニ 「カヴァレリア・ルスティカーナ」より“間奏曲”
16.シューベルト「アヴェ・マリア」
17.モーツァルト「ハレルヤ」
EN1.きよしこの夜
EN2.J.Sバッハ「2つのヴァイオリンのための協奏曲」

同性でも1人でも いろんな結婚式を描いた1990年の絵本『けっこんしようよ』に絶賛の声 誕生の背景は
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=128&from=diary&id=4892302
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