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2017年11月21日23:57

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映画日記 『リュミエール!』

2017年11月21日(火)

『リュミエール!』(2017年)
ティエリー・フレモー:監督
伏見・ミリオン座

映画の父といわれるリュミエール兄弟が1895年から1905年にかけて製作した1422本の映画・シネマトグラフのうち108本選出。
当時は映画といっても1本約50秒程度だった。
いわば私たちがいま見ている映画の始祖鳥みたいなもの。

昨年買ってきて、60ページまで読んでほったらかしになった「日本映画発達史1」(田中純一郎:著 全5巻)を積ん読から掘り出してきた。
“丁夫鍬を以て土塊を打つ毎に土煙立つこと真に迫る。拍手喝采喧噪を極む”
本作にも登場する数人の男たちが壁を壊している様子を撮ったシーンの、もうもうとたちこめる土煙に、つめかけた観客たちが大いに沸いたということらしい。

「日本映画発達史」によると、リュミエール兄弟の手になるシネマトグラフが日本で初めて上映されたのは1897年2月15日のことだった。場所は大阪の難波駅前にあった南地演舞場とのこと。
つまり、今年は日本に映画が登場してから120年になる。
120年前の観客たちが目にして拍手喝采した同じ映像を見ることになった。
映画好きとしては、ちょっとだけ厳粛な気持ちになる。

わずか50秒とはいえ、歴史的な価値も含めてその情報量の多さには驚く。
そして、120数年前の映画が生まれたとき、すでに画面上の構図や登場人物への演出が施されていたことにも驚く。

油田の大炎上や大型船の竣工シーンなど、いま見ても迫力満点のスペクタクル。
移動撮影でベトナムの少女をとらえたリリカルなシーンに釘付けになった。

いちばん古い映画の記憶は2〜3歳のときに見た『ゴジラの逆襲』だ。
1955年か56年あたりのこと。
映画が生まれて120年余りのうち、半分の60年をともに過ごしてきたことになる。
そんなことを考えながら見ていたら、感慨深いものがあった。


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