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2017年11月14日01:34

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映画日記 『彼女がその名を知らない鳥たち』

2017年11月13日(月)

『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017年)
白石和彌:監督
名駅・ミッドランドスクエアシネマ2

主演が蒼井優と阿部サダヲ。
そこに、ふたりで一人みたいな竹野内豊と松坂桃李が絡んでくる。
これも三角関係の映画だった。

予告編を見たときから、おおよその話は分かってしまう。
映画が始まると、想像通りの展開になっていく。
途中で、このまま想像通りに映画が終わったら、さすがにまずいだろうと思った。
原作がミステリーなので、ひとひねりがあるはず。
そういう目で見だしたら、すぐにオチが分かってしまった。
せっかくのドンデン返しがドンデン返しにならない。
きっと、あの予告編がよくない。
映画が始まってから観客をミスリードをするのなら騙されもする。
しかし、予告編通りにことが進めば誰だって怪しむ。
どうも予告編としては、余計なことをしてしまったようだ。
というわけで、ミステリー映画としたは疑問だったが、男と女の三角関係映画としては面白かった。

主な登場人物4人がすべてゲスというのが今風だ。
とくに隅田川(だと思う)の暗がりで、蒼井優の顔を自分の股間に押しつける松坂桃李のゲスっぷりには恐れ入った。いい俳優になってきた。
いい俳優といえば、竹野内豊のおじ役がを演じた人が印象に残った。
いい歳をした、上品ぶったゲス野郎だ。ほんとうに虫酸が走るほど嫌な感じがした。
家に帰ってネットで調べたら中嶋しゅう、という人だった。
どこかで聞いた名前なので、さらに検索すると、今夏、芝居の最中に突然死した舞台俳優だった。
この1本で、これから映画へのオファーが増えそうだったのに、残念。
蒼井優の姉を演じた赤澤ムックという女優さんもいい。
不在の夫をなじるワンシーンで、きっちりと存在感を示した。
妙な名前なので忘れることはないだろう。

三角関係映画の結着のつけ方がフェリーニの『道』だ。
蒼井優がザンパノで、阿部サダヲがジェルソミーナだった。



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