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2017年11月04日23:32

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映画日記 『グロリア』

2017年11月4日(土)

『グロリア』(1980年)
ジョン・カサヴェテス:監督
名駅・ミッドランドスクエアシネマ

テレビでしか見たことがなかったので、「午前十時の映画祭」のチラシで、スクリーン上映の告知があったときから楽しみにしてた。
ギャング組織に命を狙われる6歳の少年を、裏社会で生きてきた中年女が銃と度胸で守り抜くという物語。話自体は通俗的な三文小説だ。
しかし、これが映画になり登場人物たちが動き出すと、まったく別物となって輝きだす。
ヒロイン・グロリアを演じたジーナ・ローランズとニューヨークという街の魅力に尽きる。
オープニングの闇に浮かんだナイトゲームのヤンキースタジアムから一気に映画の世界に入り込むことになる。

毎度のことながら、見るのが2度目、しかも画面がテレビとは比較にならない大きなスクリーンになると1度目では気づかなかったことがいくつも出てきた。
ひとつが、お尋ね者になったグロリアをラジオかテレビのニュースで、「容疑者は名はグロリア・スウェンソン、グロリア・スワンソンのもじりと思われる」というアナウンスが流れる。
このニュースのひと言で、グロリアというパチモンめいた名前を名乗るヒロインの愛嬌とふてぶてしさと、そしてこれまでどういう人生を過ごしてきたのかが瞬時に理解できた。

街頭の撮影で、行き交う人たちがカメラに目を向けていたり、あきらかにチャラけたポーズをとる小僧で出てきた。きっとゲリラ撮影だったのだろう。
これは自宅の小さいテレビ画面では分からなかったことだ。

ところで『グロリア』はシャロン・ストーンによってリメイクされている。
中年にさしかかった女優にとって、グロリアは一度は演じたいヒロインなのだろう。
グロリアは若さだけではない、年齢をかさね身についた垢さえも女性美になるということの、ひとつの答だ。
グロリアを日本でリメイクするなら、女優は誰だろうと考えてみた。
昔だったら、京マチ子か太地喜和子、このふたりはすぐに思いついた。
体型は違うが浅丘ルリ子でも面白そう。彼女がカッコよく銃をぶっ放すシーンを想像するだけで愉快になる。
しかし、今の女優さんになると、すぐには思いつかない。
大竹しのぶは還暦を迎え、松坂慶子はすで65歳だ。
困ったことに40代から50代の女優さんで、ふてぶてしさを見せてくれる女優さんがいない。

あっ、いた。
筒井真理子。



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