直前まで悩んでいた。熟慮、熟考、沈思黙考。
激務(当社比)だったここ数週間への褒美を込めて、ピンポイントにニッチなフリータイム。
日帰り一人旅を企てる。
候補地は草間彌生のオブジェが新設された石巻。
復興の願いを込めた芸術祭「reboarn」が9月10日まで開催中である。
現地まで新幹線を使っても片道4時間。
往復8時間掛けて、周遊時間は6時間。
活きのいいマグロのようなやつなら、行動を共にできるだろうが、とても他人を誘えるようなワンデートリップでもあるまい。
そもそもワイフさんは「芸術祭」の「げ」の字を発しただけで、「どうぞ、行ってらっしゃい」と、笑顔で送り出すだけの理解あるご婦人だ。さてさて。
とりあえず、ヤフオクで定価の8割引でチケットをゲット。
さらに、吉永小百合さんに勧められて入会した「大人の休日倶楽部」で4日間東日本管内乗り放題15,000円というタダみたいな企画チケットにロックオン。
購入は出発前日までという条件がつくが、川崎-石巻片道料金よりも安いのだ。
予感はしていたが二百十日が近づくにつれ、当たり前のように台風15号が発生する。
石巻の芸術祭は三陸沿岸部をメインに屋外展示が主。中には夕陽と共に天空へ光を放つインスタレーションも、天候がON/OFFのスイッチであることに相違ない。
「まだ決まらないの?」
行くの行かないのと悩んでいるおいらに、背中を押し捲るワイフさん。
「あんたが行けば、雨は降らないよ

」
確かにそうである。
行ってみれば雨は降らないだろう。
しかし、繰り返し閲覧する天気予報サイトは、午前中の石巻は自由が丘の傘屋さんのように、青くて小さな傘が並んでいる。
決断は昨日だった。
停滞する台風15号が、小笠原に別れを告げて動き出す。
仙台は、そして石巻は、いずれかの時間に雨が降り風も吹こう。
吉野家の牛丼よりも安く手にしたreboarn入場券が無駄になるのは仕方がないが、晴れ男が雨に濡れる哀しみよりは軽い喪失だ。
川崎の金券ショップに立ち寄って、
「新横浜-浜松を2枚

」。
出した結論は『西なら降らない』
台風のシッポなら太陽さえ期待できる。
金券ショップで買ったチケットは、JRで買うより往復で吉野家の牛丼6杯分も安い。
松屋の牛めしなら7杯と薄い味噌汁7杯、さらにサラダ2枚が付いてくる。
そんなわけで、石巻の草間彌生に不義理を告げて、いざ直虎の街、浜松へ。
そんな9月2日、朝。
静岡はすでに快晴だった。
■3日に北海道で大雨か=台風15号北上へ―気象庁
(時事通信社 - 09月01日 19:30)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=4745657
ログインしてコメントを確認・投稿する