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2016年08月23日00:00

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金沢21世紀美術館〜その1

JR金沢駅前のホテルで荷物を預け、そのフロントで「北鉄バス1日フリー乗車券」を買った。500円で、北陸鉄道の市街地循環バスなら、1日何度でも乗り降りできるし、美術館や記念館の入場料に割引がある。
これを使って、まず金沢21世紀美術館に行く事とした。
21世紀美術館は、金沢城と兼六園に隣接した場所にある。

企画展もさる事ながら、ここは恒久展示のモニュメント的作品が面白い。
モニュメント作品は、「交流ゾーン」と「展覧会ゾーン」にあるものがあって、つまり、入場料が要るものと要らないものである。
要るものは、企画展の内どれか入場券を買えば入れる、要らないものは屋外に設置されているか、屋内であっても改札を通らずに入る事ができるようになっている。
例えば、ここで一番知られている『スイミング・プール』(レアンドロ・エルリッヒ/2004)は、プールの上部は無料で自由に出入りできるが、プールの内部は有料で、企画展のチケットを買わなければ中に入る事ができないようになっている。
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私は「Nous ぬう」という企画展(コレクション展)に入る事にした。
「Nous」はフランス語で「ヌウ」と発音し「私達」という意味である。
また「ヌウ」は日本語の「縫う」でもある。
「縫う」を「手芸」という言葉に置き換えると、歴史的には「私達」は「あたし達」になる。家の中で女性達は、絵筆よりも針と糸を持ち、それは必要に迫られてする家事であった。
しかし、現代にあっては、「縫う」行為は、自己表現の手段ともなり得る。
こういう文脈で読むと、この展覧会がジェンダー問題にも触れている事が判る。
「Nous ぬう」展は9人の女性作家による作品で構成されている。
沖潤子(1963- /埼玉〜鎌倉),鴻池朋子(1960- /秋田〜東京),マヤ・バイェヴィッチ(1967- /サラエボ〜パリ・ベルリン),アネット・メッサージェ(1943- /仏),山本優美(1983- /大坂〜金沢),村山留里子(1968- /秋田)他。

・会期 5/21〜9/25

マヤ・バイェヴィッチの『働く女性たち〜建設中』(1999)という作品はビデオによるインスタレーション。
写されているいる場所はボスニア・ヘルツェゴヴィナの国立ギャラリー。歴史的な建造物で、足場が組まれ、防護ネットが被せられて、紛争で壊れた部分の補修工事が行われている。
日没近く迄、男性が工事現場でハンマーやコテを振るっているが、彼等と入れ替わりに5人の女性達がやってくる。彼女達は難民である。
年齢も様々な彼女達は、足場を昇り、防護ネットに刺繍を始める。照明が当てられ、植物や動物や抽象的模様がカラフルな太い糸で形作られていく。
美術館で保護されるのは国家の歴史的文化財、女性達が作るのは家庭や土地で細々と営まれてきたて手工芸品としての刺繍である。
公と私、昼と夜、男と女、人種、そうしたいろんな対比が、このビデオには収められている。
工事が終われば、刺繍は防護ネットと伴に取り外され、それは誰かの家の壁を飾るのか、それともただ捨てられてしまうのか。

残念ながら、映像・画像は貼り付けられるものがない。
 
(続く)
 
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