わたしたちは、自分の金を自分のために自由に使う自由もあるが、人のために使う自由もある。人 が困っているのを、見て見ないふりをする自由もあるが、積極的に助ける自由もある。人の過去をゆる さない自由もあるが、許すという自由もある。
一日を怠惰に過ごす自由もあるが、勤勉に過ごす自由もある。妻子のある人を恋する自由もある が、恋しない自由もある。夫を裏切る自由もあるが、裏切らない自由もある。
「人生とは選択である」という言葉がある。わたしたちの生活は、毎日が、かかる自由の中にあり、そ のいずれを選ぶかは、まったくわたしたちの自由なのだ。人間の持つべき自由とは、そのいずれを正 しく選ぶかというところにあるのだろう。
(三浦綾子『光あるうちに』)
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