2015年6月19日(金)
『ラン・オールナイト』(2015年)
ジャウム・コレット=セラ:監督
名駅・ミッドランドスクエアシネマ
久しぶりに金曜日の夜に見たアクション映画。
フライデーナイトは、リーアム・ニーソンだ。
主人公のジミー(リーアム・ニーソン)は、長い間、ニューヨークの裏世界で生きてきた。
いまは見る影もないが、その昔は凄腕の殺し屋だった。
そのジミーが、こともあろうか、ボスであり古くからの旧友でもあるショーン(エド・ハリス)のひとり息子・ダニーを射殺してしまう。
ダニーは、麻薬がらみのいざこざから東欧マフィアを殺害していた。
その殺害現場を、運悪くジミーの息子・マイクが目撃してしまった。
マイクの家にダニーが口封じにやってきたところを、居合わせたジミーの銃が、一瞬早く火を噴いた。
馬鹿な息子ではあったが、ショーンは裏社会の掟として、また父親として、息子のかたきは必ず討つと誓う。
ジミーとマイクの親子を追って、ショーン配下の殺し屋たちと、事件を知った警察が動き出す。
クリスマスのニューヨークを舞台に、落ちぶれた初老の殺し屋・ジミーの、長い殺戮の一夜が始まった・・・・
序盤からアドレナリン出まくりの面白さ。
同じアクション俳優でも、ジェイソン・ステイサムは、どちらかというと陽だ。
リーアム・ニーソンの、いわば陰気なアクションスターぶりを堪能する。
加えて、かたき役にエド・ハリスを持ってきたところが、この映画の勝因。
エド・ハリスの陰影のある芝居が本作に深みを与えていた。
息子を失った悲しみに、エド・ハリスの目がセリフ通りに空虚に見えた。
その両雄の対決の場が、夜の停車場だった。
鉄道貨車が居並ぶ操車場での追いかけっこという、アクション映画の王道シーン。
夜明け前のブルーな空気の中に、オレンジ色の信号がポツンと光るという、まるで日活アクション映画みたいなショットにぐっとくる。
ジミーたちをしつこく追い回す殺し屋を演じたコモンという人も印象に残った。
今年の1月に『96時間 レクイエム』を見たとき、次はおじいちゃんになったリーアム・ニーソンが孫娘のために奔走することになるのだろうと、誰もが想像したと思う。
『96時間』シリーズとはまったく別物だったが、本作のリーアム・ニーソンは、おじいちゃんだった。
彼が小さな孫娘たちと対面するシーンで、不覚にも涙ぐんでしまった。
ジャウム・コレット=セラという監督は、『エスター』、『アンノウン』、『フライト・ゲーム』と、ここ数年コンスタントに見応えのある映画を撮っている。
ハズレなしの職人監督だ。
そんな彼を応援する気持ちも込めて、
傑作!!!
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