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2015年06月09日02:20

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映画日記 『悪い奴ほどよく眠る』 

2015年6月8日(火)

『悪い奴ほどよく眠る』(1960年)
黒澤明:監督
日本映画専門チャンネル【録画】

“未利用土地開発公団”と建設会社との間で贈収賄疑惑が囁かれていた。
検察の動きにマスコミが注目していた。
そのさなか、公団副総裁・岩淵(森雅之)の娘・佳子(香川京子)の結婚式が盛大に執り行われた。
新郎は西(三船敏郎)という天涯孤独な男だった。
岩淵は結婚を機に、西を自らの秘書としてそばに置くことにした。
しかし、この西という男、実は5年前に岩淵たちが起こした贈収賄事件の罪を押しつけられて自殺した、古谷という役人の隠し子だった。
西は、古谷と同じように岩淵とその側近たち(志村喬、西村晃)によって自殺を強要された課長補佐の和田(藤原釜足)を救い出し、仲間に引き入れた。
西は和田と旧友の板倉(加藤武)とともに、岩淵たちの悪事をあきらかにするために、手洗い手段をつぎつぎと繰り出していくのだが・・・・

高校入学直前の中学3年生の3月に見ている。
再見して、冒頭の結婚式や、和田が自殺を決意して火山(三原山?)の噴火口らしきところを覗きこむシーンは記憶にあった。
とはいえ、毎度のことながら、45年も昔のことなので、ほとんど覚えていない。
覚えていない、というより、私のようなボンクラ中学生が目いっぱい背伸びしたところで、理解できない内容だったのだろう。
特に、西と佳子の間に横たわる愛情の機微については、まったく分からなかったはずだ。

政財界汚職への怒りがテーマ。
そういえば、子どもの頃に汚職の罪を被って会社や役所の中間管理職がよく自殺をしていたという記憶があるのだが、最近はあまりそういう類いの新聞記事を読まないような気がする。
年のせいで世情に疎いのが、いちばん大きな理由なのだろうが、いっぽうで贈収賄の手口が昔より巧妙になっているのかとも思う。

悪役に回った森雅之、志村喬、西村晃や山茶花究が抜群にうまい。
ちらりと出てくる殺し屋役の田中邦衛が薄気味悪さ満点。
香川京子のいじらしさも見逃せない。



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