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2015年06月07日01:27

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本●「映画俳優 安藤昇」

本●「映画俳優 安藤昇」(ワイズ出版)
安藤昇:述 山口猛:著

− 安藤さん、どうして刺青はいけないのですか。
安藤 痛いからな。俺は痛いのが嫌なんだ。

今春に渋谷のシネマヴェーラで安藤昇の特集上映をしたら、その筋の方たちで連日満席だったと、風の噂で伝わってきた。

安藤昇は戦後派ヤクザとして、もてはやされた。それゆえに、警察から目をつけられる。
彼は、有名な横井英樹襲撃事件によって逮捕収監され、その後、安藤組の解散を宣言した。
一転、本業やくざから俳優へと、安藤昇の人生が急展開していく・・・・

昨日の蓮實重彦と同様に、大笑いと苦笑の連続で、すいすいと読むことができた。
聞き書きの相手役、山口猛との掛け合いが、まるで漫才だ。
行間から、うまい漫才師たちと同じような、絶妙な間が読み取れた。
これは、「映画館 中馬聰写真集」と並んで、今年の映画本のベスト1候補だ。

とにかく、喧嘩に博打に色事にと、安藤昇の大人(たいじん)ぶりに、男の私ですら惚れてしまう。
そして、随所に漂うユーモアが、大人(たいじん)ぶりに、輪をかけた。

まったく、話が飛んでしまう。
いまの総理や大阪市長に、とても危うくて胡散臭いものを感じる。
きっと、彼らには安藤昇が持っているユーモアが、決定的に欠けているからだ。

本書を読んで、そんなことを思った。



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