わたしたちはずいぶん気をつけているつもりでも、自分では気がつかなくて、いろいろな人の心を傷つけていると思います。人の肉体を傷つけたら刑務所に入りますが、人の心を傷つけても刑務所に入ることはありません。しかし、それだからといって、人の心のほうが体よりも値(あたい)がないということではないと思います。もう刑務所に入りきれないから、入れないようになっているだけのことかもしれません。その罪の深さというのは計り知れない。誰かの一言のために生きる力を失ったという人だっているわけです。
(三浦綾子『愛することと生きること』)
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