文芸雑誌の「文學界」を衝動買い。
表紙に“総力大特集「映画の狂宴」”の文字が躍っていた。
饗宴でなく、狂宴だ!
蓮實重彦、青山真治、阿部和重による「文學界」らしい鼎談を皮切りに、松尾スズキ、行定勲、鈴木敏夫と続く。
しかし、総力大特集という割には、1冊310ページのうち60ページほどで、あっという間に読み終えそうだ。
「ユリイカ」みたいに、8割方が特集記事で埋まっているわけではないので、少々物足りない。
ぶつぶつ言いながら、特集記事の最後に出てきた鈴木敏夫のインタビュー記事「映画とはタイトルがすべてである」を読んで、目からウロコだった。
鈴木敏夫はスタジオジブリのプロデューサーとして、タイトルとキャッチコピーに一番こだわってきたという。
また、彼がアニメ雑誌「アニメージュ」の編集長をしていた頃、部下が企画を出すときには同時にタイトルもつけてくるようにと、指示を出していた。
とにかく、タイトルひとつで雑誌の売れ行きがまったく違うことを、彼は身をもって経験していたのだ。
実は、思わず「文學界」を購入したのには理由があった。
藤竜也のインタビュー記事が載っていたのだ。
しかも、その記事のタイトルというのが・・・・・
「北野武と大島渚、どちらが大監督か」
映画好きには、興味津々のテーマ。
両監督の作品に出ている藤竜也が、はたしてどんな結論を下したのか?
確かに、鈴木敏夫が言う通り、タイトルのネーミングの勝利だ。
少なくとも、私はそのタイトルに釣られて「文學界」を買ったことは紛れもない事実だ。
藤竜也のインタビュー記事が面白かったので、“物足りない”などと恨みがましいことを書くのはやめる。
当時トレンディ・ドラマに出演して茶の間の人気者になったのに、大島作品でチ●コを出したことで3年間干されてしまった、というくだりには失礼ながら笑ってしまった。
藤竜也といえば、これ。
https://www.youtube.com/watch?v=XnjJ96NljWQ&spfreload=10
藤竜也の作詞であることは、ずいぶん前から知っていたが、彼自身の歌声を聴くことができるとは、思ってもみなかった。
数年前、YouTubeで見つけたときは、ほんとうにうれしかった。
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