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2015年04月19日03:41

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映画日記 『がむしゃら』

2015年4月18日(土)

『巨人と玩具』(1957年)
増村保造:監督
駅西・シネマスコーレ

再見。
数年前に見て、画面からマシンガンのように飛び出してくるスピード感溢れる台詞回しに圧倒された作品。
今見ても、作品が持つ過剰なまでの熱量が伝わってくる。
その熱さが、敗戦から復興しつつある“昭和30年代初め”という時代のせいなのか、それとも増村保造監督の体質によるものかは、よく分からない。

野添ひとみと川口浩、大映映画の名コンビによる作品。
虫歯で前歯の欠けた野添ひとみがキュート!!
ペコちゃんみたいに舌を出した彼女が、めちゃ可愛い。

川口浩を誘惑するライバル会社の宣伝ウーマン役の小野道子という女優さんが気になった。色白で濡れたような目をしている美人だ。検索したら、なんと長谷川一夫の娘さんだった。

傑作。


『がむしゃら』(2015年)
高原秀和:監督
駅西・シネマスコーレ

女子プロレスというか、プロレスそのものを、20年くらい見たことがない。
もちろん、本作の主人公である安川惡斗というレスラーのことも、この映画を見るまでまったく知らなかった。

幼い頃からテレビの時代劇に夢中になり、大きくなったら「侍になるんだ」と、日夜剣道に励む少女がいた。
中学生になって陰湿ないじめに遭い登校拒否。さらにレイプ被害に境界性人格障害、ついには自殺未遂を引き起こす。
転校し、そこで演劇と出会う。しだいに持ち直し、やがてプロの女優への道を歩むことになる。
女子プロレスが舞台の芝居に出たことがきっかけで、女子プロレスに興味をもち入門する。
腕立て伏せが1回もできないところから出発し、やがて安川惡斗というリングネームのヒールとして頭角を現す。
しかし、その矢先にバセドウ病や白内障といった病が襲ってきた。

ひとりの女子プロレスラーの生い立ちと現在を撮ったドキュメンタリー映画。
暗くなりがちな話(実際、暗く不幸な出来事ばかり)だが、モノローグの合間に挿入される彼女の激しい試合風景が、その暗さを吹き飛ばしていた。
もともと可愛い顔立ちの人だが、リング上でのきりりとした表情がいちばんきれい。
多くの苦難を乗り越えて掴んだ女子プロレスラーが、きっと彼女の天職だったのだろう。
ある意味、めでたしめでたし、と思ったら・・・・

本作が公開される直前の試合が、ガチンコになってしまい、彼女は顔面骨折で病院送りになってしまった。
映画が終わっても、安川惡斗の苦難はまだまだ続く。

ところで、安川惡斗を病院送りにした世IV虎(よしこ、と読むらしい)レスラーも本作に登場している。
見るからにヒールの彼女が、女優出身の安川惡斗のことを「きらい、大嫌い!!」と、切って捨てていた。
ヒールという役割を演じた、映画向けのリップサービスに見えるが、ひょっとしたら本気だったのかもしれない。
彼女の存在も、気になるところだ。

月並みな感想になってしまうが、色々な人生があるものだと、つくづく思った。




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