2015年4月16日(木)
『白と黒』(1963年)
堀川弘通:監督
日本映画専門チャンネル【録画】
橋本忍のオリジナル脚本によるミステリー映画。
のっけから痴情のもつれみたいな雰囲気の中で、インテリ風の若い男が女盛りの人妻を寝室で絞め殺すシーンだ。
被害者は死刑廃止論者で高名な弁護士・宗方(千田是也)の妻(淡島千景)、犯人は夫の部下で、妻の不倫相手であった若い弁護士・浜野(仲代達矢)だった。
最初から犯人が分かっている、いわゆる倒叙ミステリ。
口やかましい妻(乙羽信子)から、毎日やいのやいのと言われている庶民的な捜査検事・落合(小林桂樹)が、探偵役だ。
彼の悩みの種は痔。出世のための“地方回り”に行く前に、ちゃんと手術は済ませておくようにと、上司からせっつかれている。
殺人現場に立ち会った浜野が、自白しようかどうかと、迷っているところに「犯人逮捕!」の報せが届いた。
「いったい、どうなってる?・・・殺したのは、自分だ・・・とすると、冤罪じゃないか!!!!」
愕然とする浜野に、さらなる驚きが待ち構えていた。
宗方が、妻を殺した犯人の弁護をすると言い出したのだ。
浜野がひと言、「自分が犯人です」と言い出せば終わる話が、どうしても言い出せない。
そして、審理の法廷が始まった。
はたして、浜野はまんまと逃げおおせるのか?
落合は彼を追いつめることが出来るのか?
と、思ったら・・・・
まるで“白と黒”のオセロゲーム。
見事にひっくり返りました。
傑作。
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