映画を見ない日の出来事　６８

大学時代の友人たちと奈良に“おとなの修学旅行”へ行ってきた。
薬師寺と法隆寺と中宮寺を回ってきた。
主に仏像巡り。みうらじゅんが称するところの「見仏記」だ。
他の友人たちは美術や歴史が好きなようであるが、私はただただ、夕方からの飲み会が楽しみで、金魚のふんのようについて行っただけ。

ところが、きょう一日で、仏像もいいかなあ、と思った。

薬師寺の金堂で、本尊である薬師如来の両脇に佇む、日光菩薩と月光菩薩像に目が点になる。
キュッと締まったウエストを、ちょっとよじった姿が、ありがたいというより色っぽい。
どうみても、日光と月光の二つの菩薩は、あきらかに女性だ。
くびれた腰を触りたくなる。
セクシー！！！！

法隆寺を訪れるのは、生まれて初めてだ。
拝観料が１５００円と映画並みの金額だった。
正直、払ったときは高いなあと思ったが、足を踏み入れると、見どころがたくさんある。
写真をばんばん撮りまくった。きっと、一日いても飽きないだろう。
特に、百済観音像にはノックアウト。素晴らしい。
慈愛に満ちた笑顔と、異様なほどにスラリとした姿は、仏像世界のオードリー・ヘップバーンだ。
これまで、感心した仏像はいくつかあった。
しかし、その姿を見て、涙がこぼれそうになったのは、百済観音像が初めてだった。
もう一度訪れたい。

奈良で一杯、名古屋に戻ってもう一杯。
お酒がすすむ夜だった。