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2015年04月03日01:56

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映画日記 『唐山大地震』 『チョコリエッタ』 『女神は二度微笑む』

久しぶりに名古屋で映画3本のはしご見だった。

2015年4月2日(木)

『唐山大地震』(2015年)
フォン・シャオガン:監督
駅西・シネマスコーレ

まだ毛沢東が神話化されていた時代の1976年に起きた唐山大地震をきっかけに、母と双子姉弟が辿る波瀾慟哭の物語。
3.11の影響でお蔵入りになった映画だ。
常日頃から映画にタブーはないと思っているが、この映画のお蔵入りは、きわめて健全な判断だった。

ネットによると唐山大地震の死亡者は24万人とある。
阪神淡路大震災の死者は6千400余名、3.11は1万8000余名だった。
死者数の比較をすることは出来ないが、24万人という数字は、確かに中国の人たちに大きな悲しみをもたらしたことは、ふたつの震災を見てきた私には、容易に想像できる。
本作は1976年から30数年の後に作られた。
ひとつの悲しみに、ようやく区切りをつけるには、30数年の月日が必要ということなのだろう。

次の映画まで、少し時間がある。
名古屋の桜の名所、鶴舞公園に向かう。
そこは、直前の『唐山大地震』からは遠く離れた、平和な光景だ。

残念ながら天災である地震を止めることは出来ない。
しかし、ある意味、人災である戦争は止めることが出来るはずだ。
満開の桜の下で、ふとそんな思いがよぎる。


『チョコリエッタ』(2015年)
風間志織:監督
今池・名古屋シネマテーク

舞台のひとつが映研だった。
とにかく映研と名が付けば、無条件で見に行くことにしている。

少し前に、どうも名古屋在住であるらしい大島真寿美の原作本を読んでいた。
幼くして最愛の母親(市川実和子)を交通事故で失った少女・チョコリエッタ(森川葵)と、彼女が共にひと夏を過ごすことになる映研の先輩(菅田将暉)の物語。
長編というより、限りなく中編に近い長さの小説だった。
それなのに、本作の上映時間は2時間39分もある。
確実に途中で“沈没”するだろうと予感した。
原作は、パパパッと読めたのに、映画の展開が、どうもゆっくりとしている。
ついには、予感が当たってしまった。小一時間は寝てしまったようだ。
それなのに、ほとんど見ていないに等しい本作のラストシーンが、心にしみた。

きっとこの長い上映時間は、母を失った喪失感から、チョコリエッタが心の安らぎをようやく手にするには、2時間39分という長い長い時間が必要だったとの、監督の思いなのだろう。
その監督の狙いに応えられなかった我が身が、少々情けなかった。

ヒロインの森川葵が、先々週見た『おんなのこきらい』とは、うって変わって、坊主頭で登場する。
なんとなく気になる女優だ。


『女神は二度微笑む』(2015年)
スジョイ・ゴーシュ:監督
東新町・名演小劇場

最後まで騙されてしまった。
張り巡らせた伏線が、あのシーン、このシーンと、次々にセリフでなく映像的に回収されていく。
それはそれは、大いなる快感だった。

インド発のミステリー映画の大傑作!!!


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