ワイフさんと2人だけの夕餉を摂っているときに、ふと彼女がつぶやいた。

「シンガポール・ロスかもしれない

」
帰国してすでに2週間以上を経過したが、ショートタイムで働いているスイミングコーチに力が入らないそうだ。ベイサンズのプールは、それほどまでに魅力的であったということかもしれない。

「もう2週間経ってるんだから、おいらはすっかり忘れてるよ

次の旅行のことを考えていかないとね。」
そんなセリフが慰めになるのかどうか。
さて、日記を続けよう。
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2月14日(金)
プールのあちらこちらから歓声があがり、スマホやタブレットを翳して記念写真を撮りまくっている。
プールの端の方に行ってジャンプしたり、プールサイドに腰掛けると、監視員から笛を吹かれて注意を受ける。
57階ベイサンズのプールから、真っ逆さまに転落した事故はこれまで8人。
居たとか、居ないとか。多分、居なかった。
プールサイドには1m幅近くの溝があって、そこに溢れる水が流れていく。人間が落ちても、大丈夫。
2時間余り、たっぷりと楽しんでジャグジーで身体をあたたたたたたたためてから部屋に戻る。
休むことなく午後の部がスタート。ダウンタウンに繰り出した
旅行前、日本。
ワイフさんから与えられたミッションの一つが、

「美味しいラーメン屋さん、探しておきなさいよ

」という指示。
彼女とニューヨークに出かけた時に、大雑把でフランク雑把な食事を受け付けず、結局、一番のお気に入りだったニューヨーク飯が、ヒルトンホテル近くに見つけた《木久蔵ラーメン》。
それ以来、ニューヨークのグルメ番組を見るたびに、何度となく聞かされてきた「ニューヨークの木久蔵ラーメンが一番美味しい」というセリフ。
黄色いアイツが、欣喜雀躍しそうな事実である。

「王様のブランチで、シンガポールに大勝軒があるって言ってたから、調べておきなさいよ

」
これは、マジな話だが、夫婦旅行の際、ワイフさんは事前に“るるぶ”や“まっぷる”を決して手にしない。行く先の何がグルメなのか、ビューポイントなのか、何一つ気にしないのだせいこ。
たまたま観ていたテレビで紹介されたスポットを、ほんのりと記憶している程度である。
この辺も、文化系ではなく体育系である証左。
シンガポールのアメ横《ブギス》。
ここのショッピングセンター内に【らーめんチャンピオン】と名付けられた日本の著名ラーメン店もどきが集まっているフードコートがある。
タブレットで大勝軒を探したら、店名を『麺絆 山岸一雄』に変えて、ここブギスで営業中。
ちなみに山岸一雄とは、まさに東池袋・大勝軒の創始者であり、つけ麺の考案者。
ラーメン1杯、1,000円以上。
シンガポール自体、物価が高くラーメンの値段もこんなのが当たり前。
3人がそれぞれお好みでオーダーし、シンガポールでラーメンを喰う。
答えを先に書くが、ワイフさんの帰国後の感想。

「ラーメンが一番美味しかったわね

」
これだから、彼女にガイドブックは必要ないのである
ラーメンだけではない。
シンガポールで一番良かった場所は?の問いに、

「ブギス

」の即答。
お気に入りのブギス・マーケットには、屋台や路上マーケット、アメ横のような雑貨屋ではお土産が「3個300円」とか、「10個800円」とか、100円均一のようなストアが並んでいる。
このあと、アラブ・ストリートやリトル・インディアという異国情緒溢れる街を、ゆっくりたっぷりと散策したが、ワイフさんにとっては高級ブランドだらけのベイサンズ・プロムナードよりも、ずっとお気に入りで親しみやすかったそうだ。
リトル・インディアのランドマーク『スリ・ヴィーラマカリアマン寺院』。
派手派手の神々が折り重なって迎えてくれる。何が何やら
三女ちゃんが、

「あれがカーリーだよ」と、お父さんもお母さんも知らないウンチクを語りだした。
マンガから仕入れた知識だそうだが、見聞を拡げる姿は頼もしい。
この寺院、三女ちゃんには予想外に受け容れられた。
気になるのがワイフさん。
やはり文化的な場所は苦手なようで、シンガポールのドン・キホーテと呼ばれる超大型マーケット『ムスタファ・センター』が、この地のお気に入り
午後5時。
そろそろ、サッカーの試合開始が近づいてきた。
この日も何万歩、歩いたことか。
だから、ノープランの行き当たりばったり旅行は楽しいんだ
(つづく)
(いつまでも、つづく)

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常にノーパン睡眠継続中
気持ちいいよ。
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